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小梅に注意

2022年08月15日 | うんちく・小ネタ



小学生の頃、博物館が主催する「自然科学教室」という
フィールドワーク中心の勉強会に参加していました。
毎月バスに揺られて山中を駆け回り、動植物の観察や化石掘り。
結構ハードな日帰り研修だったのです。




でこぼこ山道でバスに揺られても乗り物酔いはせず、ゲロ袋不要の
タフガイだったのですが、おやつに当時新発売の「小梅」を食べると
なぜか必ずゲロってしまうという怪現象が発生したのです。




小梅は昭和49年にロッテから発売されたロングセラー商品で、
甘酸っぱい梅味のキャンデー。
パッケージキャラの小梅ちゃんは明治生まれの15歳で、
東京は小石川の出身。名門、綾小路家の一人息子「真」に淡い恋心を
寄せているという設定らしい…。

と、そんなことはどうでもいいのですが、どうして小梅でバスに酔って
しまったのか。




以前、NHKのある番組で、乗り物酔いの原因調査を行った結果を
発表していました。
それによると、睡眠不足、空腹、読書、排気ガスやタバコの臭い、
「酔うかも」と考えた、映画を見た、姿勢が悪かった、甘いジュースを
飲んだ、コンピューターゲームをした、雨だった、という順。
小梅は、…ありません。




また、東京厚生年金病院の石井正則部長は、乗り物酔いの経験がない
20代の250人以上を対象に、乗り物酔いを起こす実験を行っています。
その結果、3時間睡眠、空腹、読書、バスの8の字走行+急発進という
条件が重なると、87.5%の人が乗り物酔いを起こしたというのです。
ここにも小梅は、…ありません。

ちなみに、進行方向と逆向きに座ることと乗り物酔いとの間に因果関係
はないらしいのです。



ならば小梅ちゃんの美貌に酔ったのかも、と思ったりもしたのですが、
パッケージに小梅ちゃんが登場したのは昭和57年で新発売の8年後。

小梅ゲロ現象の原因は、いまだ謎のままでなのです。

乗り物酔いは10代半ばでピークを迎え、その後は減少。40代以降になって
再び増加に転じるとか。

再び小梅に注意なのです。