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進化できる人間に

2020年11月15日 | うんちく・小ネタ


ヒトの耳上部にある微少な突起は人類の祖先であるネズミ系哺乳類の耳の名残だと
説いたのはイギリスの自然科学者チャールズ・ロバート・ダーウィン。 
ダーウィンが唱えた進化論の自然選択説では、イヌの人為選択を例に挙げています。

1万5千年前にオオカミから分化したとされるイヌが、僅か数千年の間に337犬種
(公認種)にまで広がったのは、ペットビジネスという強力な選択圧があったからだと
いいます。すなわち品種改良です。



対して、人間が介在せずに起きる選択が自然選択。
すなわち進化ということ。

家畜や農作物の歴史は、人為選択の歴史でもありますね。野生のイネは収量がかなり
悪く、野生のキャベツは苦いのです。
そして、収量や味の面での品種改良が限界に近づいてきた今日、農作物の人為選択は、
新たな品種づくりへと発展しました。
ベンチャー企業の参入もあり、今まで地味だった農学部育種学講座がアグリビジネスの
寵児とここ数年で変貌しています。


新種の野菜をご紹介します。


・はなっこりー…山口県農業試験場作。1999年品種登録。中国野菜の菜心と
          ブロッコリーを交配させた菜の花のようなブロッコリー。年間出荷量150トン。




・なかみどり…栃木県農業試験場作。2000年品種登録。ネギとニラを交配。
         根元はネギで、葉先はニラ。鉄分はネギの2倍。




・トマピー…日本農研作。2002年品種登録。トマトのようなパプリカ。ピーマン臭の原因である
       2-メトキシ-3-イソブチルピラジンが少なく、ピーマン嫌いの子供におすすめ。



 
・グラパラリーフ…アグリアシストジャパン作。2005年品種登録。アロエが食用になることをヒントに、
           ベンケイソウ科の観葉植物を食用に品種改良した変わり種。
           単品で1億5千万円を売り上げる商品に育った。





フレンチレストランが野菜にこだわる今日、しっかり新種を勉強し、ヒトの人為選択に耐えられる
人間にならねばと思うこの頃です。