あんなこと こんなこと 京からの独り言

「京のほけん屋」が
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分析してみても

2016年09月25日 | うんちく・小ネタ



最近、ネット上の鑑定サイトがにぎやかです。
「あなたを映画スターに例えると」「動物に例えると」「あなたに似合う国は」等々。
そんな中に、「青春の値段、鑑定します」というサイトがありました。若き日の学業、修行、悪行に思想なんかを加味して入力すると、それなりの金額を算出してくれるらしいのです。
大きなお世話・・・ですね。



そこで、「青春の分析値、測定します」という企画を考えてみました。
水分、塩分、脂肪分。
この数値に何の意味があるのか。数字で何を語れるのか。
そんなジレンマのみの「日本青春分析センター」本日開店。
 



まずは自身の分析を敢行。

水分
同じクラスに水も滴るいい男がいて、「こいつには絶対に勝てない」と思っていました。
滴る彼を水分80%とすると、私はひいき目70%。
ある情報番組で、「風呂上がりは男前に見える」ことを証明していましたが、血行が良く、みずみずしい風呂上がりは2割増しで色男に見えるらしいのです。
修学旅行の湯上がりで勝負すべきだった?。



塩分
涙の数に比例。部活合宿の厳しさに涙した夜や、不条理に枕を濡らした朝など。
運動会のマスゲームで砂埃が目に入って泣いた昼下がりもカウントすると、3%くらいかな。
しょっぱいですね。




脂肪分
水泳が上手くなりたければ「脂肪分をつけろ」という体育教師の指導だけはまじめに守り、ぽっちゃり体系を維持。筋肉なしの体脂肪率30%。



pH
部活の帰り、校舎の陰からレモンスライスの差し入れが飛び出してくることを期待し続けた3年間。現実はそんなに甘くありませんでした。つまり酸性。




こんな感じの分析値。入社面接で履歴書と一緒に提出する時代が来るかもしれないと期待するこの頃です。


あまり意味をなさないと判ったので、「日本青春分析センター」本日閉店します・・。






文系と理系のコラボサクセス

2016年09月12日 | うんちく・小ネタ



消費者に認められ、高いお代を払ってくれる価値を生み出すことは容易ではありません。
地味な加工食品分野では特に・・。
そんな食品業界で、教科書的成功事例として紹介される商品に、A社の「ピュアセレクトマヨネーズ 65%カロリーカット」というものがあります。
文系のマーケッターと理系の研究員がコンビを組んで、画期的な価値を生み出した商品なのです。



まず、マーケッターの企画力が生んだ価値。
マヨネーズの主成分は卵と酢と油。そこで、卵の鮮度感をアピールポイントにしたのです。
キャッチコピーは「とれて3日以内の国産新鮮たまごだけを使用」。

「生みたて」は無理でも「とれたて」ならなんとかなるだろうと鶏卵業者と交渉し、物流を整え、工場を説得したとか。
世界第2位の卵消費国で、生卵を好んで食べる日本の消費者は、卵の鮮度にうるさいのです。
「3日たまご」の価値はすぐに受け入れられ、売上増につながったそうです。




次に、研究員の技術力が生んだ価値。
マヨネーズのカロリーを下げるため、単純に油の配合量を減らしたのでは味が落ちてしまいます。
そこで、油の中に水を閉じ込める技術を開発。具体的には、酢の中に浮かぶ油滴の中に水を閉じ込め、酢/油/水という「Wエマルジョン」状態を作ったのだそうです。
水を注入することで油の含量が減ってカロリーも下がのですが、水が油の中に包まれた状態なので、油滴のサイズ自体は変わらず味もほぼ同じなのだとか。すごい価値ですね。




さらにすごいのは、油を水に置き換えた分、原材料費が下がったということ。
安くできるのだから、メーカーにとっての有難い価値も生まれたことになります。
普通の3日たまごマヨネーズが400gで200円。65%カロリーカットが360gで265円。

価値があるから高くても売れる。けど、原価は安い。
価値を生み出し、高くても喜んで買ってもらい、そして儲けてお給金を上げてもらう・・・。
これが「仕事」なのですよね。