あんなこと こんなこと 京からの独り言

「京のほけん屋」が
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な~んか怪しい

2019年02月17日 | うんちく・小ネタ



ある食材問屋の方が、魚由来のコラーゲン素材の話をしていました。

「魚のコラーゲンで、いい出物があるんです」

原料をたずねると、

「イズミダイのウロコです。マクドナルドのフィレオフィッシュを加工している工場からウロコを回収しています」

ん?なんか怪しいぞ。

そもそもイズミダイはタイの仲間ではなく、ティラピアという正式名称を持つアフリカ原産の淡水魚。
2000年のJAS法改正で、タイと呼べるのは「マダイ」「クロダイ」「キダイ」「チダイ」の4種のみとなっていて、「イズミダイ」だと表示違反になるのです。

でも、表示が「ティラピア」のコラーゲンなんて売れないでしょうね。なんだか妖怪みたいなので…。



他にも、このJAS法改正で「銀ムツ」「アマダイ」「シロスズキ」「クロカンパチ」などの売り上げが落ちたそうです。

それぞれ「メロ」「キングクリップ」「ナイルパーチ」「スギ」という正しい名前に改名させられたのです。



町内に必ず1軒はあった魚屋さん。
幼時、その店のおじさんとの会話で、魚の名前を覚えたりした伝統的魚食民族にとって、やっぱり「メロ」は受け入れがたい名前です。



食べると結構おいしいし、切り身やフライにされるとわからなかったりするのですが、「奥さん、いいナイルパーチ入ってるよ」じゃ、威勢のいい朝の風景が、あぶない秘密パーティーみたいになってしまいます。



ということで、魚コラーゲンの話は有耶無耶。マクドナルドのフィレオフィッシュでイメージアップを図ったトークだったようですが、実際にマクドナルドが使用している魚はティラピアではなく、「アラスカンポラック」というスケトウダラの一種です。

日本における水産物の自給率は56%で、食料全体の38%よりはましですが、輸入しなければ日本の食卓は成り立ちません。


いたるところ怪しい名前の輸入魚ばかりなのです。




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2019年02月04日 | 日記
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