あんなこと こんなこと 京からの独り言

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この夏は 大麦

2020年06月15日 | うんちく・小ネタ


詩人石原吉郎の「麦」という作品をご紹介します。

 いっぽんのその麦を
 すべて苛酷な日のための
 その証としなさい
 植物であるまえに
 炎であったから
 穀物であるまえに
 勇気であったから
 上昇であるまえに
 決意であったから
 そうしてなによりも
 収穫であるまえに
 祈りであったから
 天のほかに ついに
 指すものをもたぬ
 無数の矢を
 つがえたままで
 ひきとめている
 信じられないほどの
 しずかな茎を
 風が耐える位置で
 記憶しなさい


この場合の麦は、小麦より大麦の方がぴったりはまりますね。
大麦の用途は、麦茶、ストロー、麦わら帽子…。詩的ですし夏っぽい。
大麦と小麦はどちらもイネ科に属しますが、分類上は全く別の植物。



なので、大麦アレルギーはなく、小麦アレルギーはあるのです。
大麦にグルテンはなく、小麦にはたっぷり。
大麦の粉ははったい粉で小麦の粉は小麦粉。
また、大麦小麦の大小は大きい小さいではなく、大麦がメジャーで
小麦がマイナーという伝来当時の設定。



ちなみに、大豆小豆の大小も同じ理由です。

今月1日は麦茶の日。
緑茶やウーロン茶に押されっぱなしですが、
麦茶は江戸時代から親しまれてきた国民的飲料。
もっと麦茶を飲もうではありませんか。



麦わら帽子と蝉しぐれに囲まれた幼き夏、
ゲータレードもポカリスエットもなかった青春時代の夏…、
いつの時代も私たちのそばには香ばしい麦茶がありました。



とはいうものの、歳を重ねたら麦茶よりビールと焼酎。これも大麦。
今年の夏は、大麦の力で乗り切る予定です。


6月

2020年06月01日 | 日記
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