あんなこと こんなこと 京からの独り言

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色はいろいろあれど

2021年09月15日 | うんちく・小ネタ



ひと頃、黒い食品がカラダにいいという理由で流行っていました。
黒酢、黒酒、黒胡麻、黒豆、黒豚…。
黒い食品は、医食同源の中国で最もヘルシーとされる色とか。
黒米、黒胡麻、黒かりん、黒豆、黒松の実を「黒五」と称し、
「楊貴妃の美容食」「不老長寿の抗酸化力」等のコピーで珍重されてきたそうです。
ミネラルも多いですね。


 
でも、今は赤じゃないでしょうか。
赤ほうれん草、赤かぼちゃ、赤ピーマン、赤豚、赤米、赤酢、トマトにスイカ…。
喫煙者がベータカロチンを摂ると発がんリスクが増大するという
不気味なデータもあるそうですが、総じて赤い食品はビタミンAやカロチン、
リコピンの供給源としてヘルシーなのです。



服や化粧品同様、食品の色の流行にも仕掛け人がいます。
不景気だから威勢のいい赤がいいですし、赤はオレンジの次に食欲をそそる色。
こどもは赤くて丸いモノに吸い寄せられます。アンパンマンとかですね。
仕掛け人は、いろいろ講釈を付けて利権の絡む食品を販売しようとします。
そして、緑、黄、紫などの食品たちは、順番待ちに息を潜めます。 



しかし、本来赤は完熟の色。
動物たちに種子を運んでもらうため、種子の準備ができた時期に
一番おいしい状態にして一番ヘルシーな成分で、一番記憶に残る色を
用意しただけなのです。

おいしくて健康にいいのは当たり前。
わざわざ仕掛なくても、本能的に人は赤を選ぶと思います。



赤いちゃんちゃんこで還暦を祝うのも、健康で長生きを願うという謂われがあります。

そんなこんなを考えながら、今夜も石原裕次郎の「赤いハンカチ」と
松田聖子の「赤いスイートピー」を熱唱しようかなと思っています。