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鹿児島を訪れるのですが、ここは地の利を活かすのが本当にうまいと思います。
地の利ベスト3は、「本州最南端」「シラス台地」… …「遠い」。
いや、ワーストと呼ぶべきかもしれないこれらの環境を、見事に活用しているのが
鹿児島なのです。
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「本州最南端」
1609年、薩摩藩は琉球を服属させました。そして琉球を通じて中国と交易し、
その富で56万石から77万石に加増。
江戸幕府は石高以上に中国の最新技術が薩摩に伝わることを恐れましたが、
最南端の地の利だけはどうしようもなかったのです。
1970年、大隅半島の内之浦宇宙空間観測所から、我が国初の人工衛星
「おおすみ」が打ち上げられました。遠心力の関係で、ロケットの発射は赤道に
近いほど有利。
もちろん、南方戦線に近いという理由で特攻基地が設置された、知覧の若者たち
のことも、忘れてはいけません。
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「シラス台地」
たしか小学校の社会科の授業で、シラス台地は芋しかできない貧しい土地と
習った記憶があるのですが、今はそうでもないようです。
ある時はあたり一面「知覧茶」の緑、またある時は焼酎用の芋「黄金千貫」、
そして最近のブームは「そら豆」。シラス台地は変化に対応できる「カセグ台地」
に進化したのです。
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シラス台地の新たな活用法として、株式会社ストーンワークスはシラスを圧着した
「シラスブロック」を考案し、これに芝生を根付かせた芝生緑化基盤を発売。
芝生が抜けにくく保水性が高いことから、屋上緑化や路面電車の軌道内緑化に
活用されています。
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「遠い」
薩摩藩は関ヶ原で西軍についた外様大名ですが、江戸からあまりに遠いから
なのか、統治はそのまま島津家となり領地も安堵されたと、記録にあります。
東京本社の幹部が鹿児島転勤を嫌がり、現地採用の支店長に運営を任せた
という感じかもしれませんね。
そして、任せた後は監査です。江戸幕府もたびたび隠密を送り込んだのですが、
なかなかうまくいきません。薩摩弁も含め、いろいろな点で江戸から遠いことが
原因だったに違いありません。
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薩摩人の逆境をチャンスに変える力が維新の風を起こしたのです。
鹿児島に行くと、そんな気概を肌で感じることができるのです。
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