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健康は昭和の食卓から

2019年08月14日 | うんちく・小ネタ




理想の和食は1975年の食卓にあったといわれています。

その頃の和食は「欧米食に偏った高脂肪の食事」と「塩分の高い白めし中心の粗食」の中間にあり、「多少欧米化した和食」という、いいとこ取りのバランス食でした。




1960年頃の粗食は、山盛りの白めしに佃煮、焼鮭、漬物、みそ汁。
これでは胃がんと高血圧でくたばってしまいます。

それが、1970年の大阪万博をきっかけに食卓に欧米食が入ってきて品数が増え、栄養バランスが整ったのです。





東北大学の都築博士は、マウスに各年代の食事を混合粉砕して投与し、8ヶ月間の飼育実験を行ったそうです。
その結果、1975年の食事をエサにしたマウスが最も代謝が活発になり、内臓脂肪が少なかったとか。

逆に2005年食のマウスは人間に換算して8kgも体重が増加したそうです。

このことは厚生労働省の調査結果と合致しています。成人男性の肥満割合は1975年の17%に対し、2005年では30%に増加しているのです。



ところが、1975年の総摂取カロリーは戦後最大の1日2226kcal。
逆に2005年は1904kcal。

つまり、1975年の和食はたくさん食べても太らないダイエット食だったといえそうです。
これはすごい。

古来より、大陸の文化や欧米の技術を柔軟に取り入れ、自国の繁栄に繋げてきた日本民族の真骨頂ではないでしょうか




なんとか40年前の食卓を再現できないものでしょうか。

まずは給食からということで、農林水産省の「和食給食応援団」活動に注目すると、現在、給食における米飯登場回数は平均3.4回/週、和食回数は、1.8回/週に下がるそうです(ここでの和食の定義はご飯+汁物)。

この回数を増やす取り組みをしているそうですが、「和食給食はお残しが増える」という残念な事態をまず解決しなければならないのだとか。

給食の和食はおいしくないし、食べ慣れてないから残すというのです・・・。


洋食メニューだと、何かしら食べられなかった(食べ慣れていなかった?)自身の小学生時代と真逆ではないかと、驚いてしまいました。