あんなこと こんなこと 京からの独り言

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オリジナル技術にっぽん

2013年06月23日 | うんちく・小ネタ

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少し前になりますが。NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」で、日本の家電メーカーの現状と課題がクローズアップされていました<wbr></wbr>。
国家を支えてきた「日の丸家電」<wbr></wbr>の凋落には大きな3つの真因があったという内容。

その1.
巨大化してしまった家電メーカーが抱える多くの工場とその従業員<wbr></wbr>が膨大な固定費として経営を圧迫した。→<wbr></wbr>アップル社は自社工場を持たないOEM生産で身軽な経営。

 

その2.
著作権を大事にしすぎて音楽ソフトの自由度がなかった。
<wbr></wbr>→アップルストアで気軽に楽曲を購入。

 

                                                                    その3.
顧客のニーズを掴まず、<wbr></wbr>持てあます技術を過剰な機能として家電に盛り込み、価格競争力を失ってしまった。→サムスン、<wbr></wbr>ハイアールは販売国の徹底した市場調査で真の顧客満足を追求。

 

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そして、NHKが説く「逆襲のシナリオ」とは、「<wbr></wbr>プロデューサー」の存在。
持てる技術を駆使して的確に顧客ニーズに応え市場にあった価格で<wbr></wbr>商品を販売する、という全体像が描けるプロデューサーのことです。
すでに成功事例がありました。<wbr></wbr>インド人の色彩感覚に合わせて青と赤が強調されるテレビを現地向けに開発したソニーは、<wbr></wbr>サムスンを抜いてインドのトップブランドとなったのです。<wbr></wbr>青と赤を強調する技術がサムスンにはなかったからです。
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そんな日の丸家電の教訓を、<wbr></wbr>やや斜陽化し始めた食品業界でも活かさなければなりません。
メーカーとしての自社製造にこだわりつつ、<wbr></wbr>変化に対応できるOEM生産体制を整備。レシピの死守も大事ですが、<wbr></wbr>時には公開して市場の拡大を後押し。
苦労して極めた特許製法を一度白紙に戻し、<wbr></wbr>本当に顧客が求めている要件をオリジナル技術で盛り込む・・・。
 
家電のようにおしゃれでなく、<wbr></wbr>国家を支えるほどの規模でもない食品産業ですが、メイド・イン・ジャパンであることに違いありません。
だから、食品業界全体の規模と地位を高めるべく、<wbr></wbr>逆襲のプロデューサーが
今こそ求められているのです。
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使えないけど幸せを呼ぶ?!

2013年06月09日 | うんちく・小ネタ

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1938年に南アフリカ東海岸・イーストロンドン沖で“生きている化石”シーラカンスが捕獲されました。
最初、南アフリカを旅行中のイーストロンドン博物館の若い学芸員・ラティマー女史が、カルムナ川河口の小さな町で発見したそうですが、あまりにも常識を覆す内容だったそうで相手にされませんでした。

その後、標本(現物)が採取されてようやく信用され、発見者のラティマー女史と魚が最初に獲れたチャルムナ川沖にちなんで「ラティメリア・カルムナエ」という学名が付けられます。

2匹目のシーラカンスは1952年にコモロ諸島で見つかり、以後同島付近で200尾ほどが捕獲されていました。

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そして1997年、コモロ諸島から1万kmも離れたインドネシアのスラウェシ島で、別のシーラカンスが発見されました。
この地を新婚旅行中だった米国人のマーク・アードマンが、魚市場でシーラカンスと思われる魚を発見。
その個体は見失うも、翌年2匹目を見つけ出して標本として確保しました。2種目のシーラカンス、ラティメリア・メナドエンシスです。

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ひょっとすると日本近海にも生息している・・かも。

ちなみに、1種目が生息するコモロの人々はシーラカンスを「ゴンベッサ」と呼んでいるそうです。
もともとは「食えない魚」「使えない魚」という意味で使われていたそうですが、シーラカンスが高額で売れるようになった現在、「幸せを呼ぶ魚」という意味になったとか。コモロの皆さん、判り易すぎて逆に気持ちいいくらいですね。

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