あんなこと こんなこと 京からの独り言

「京のほけん屋」が
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二十四節気

2018年01月20日 | うんちく・小ネタ



一昨年頃から祝日や正月に、門柱の国旗掲揚が多く見られるようになったと耳にしました。
平成の終わりが見えてきて、改めて昭和ノスタルジーが盛り上がっているのかもしれません。

ならば、年末年始の行事をもっと掘り下げてみましょう。



農耕が中心だった私たちの暮らしは、12月8日を農事の終わり「事納め」とし、2月8日の始まり「事始め」と合わせて「事八日(ことようか)」と呼びました。

この2ヶ月の間に休息を取り、柚子湯に入り、年神さまをお迎えして鬼を払うのです。

年神さまが家々に間違いなく辿り着けるように門松としめ飾りを準備し、鏡餅とおせち料理で年神さまをお迎えします。
一緒に食べるから、おせち料理の箸は両側が細くなっている「両口箸」。



年神さまは大晦日の夜、全員に「年餅」を配り、もらった瞬間に全員が1つ年を取るのです。
これが「数え年」であり、この年餅がお年玉の起源といわれているそうです。



年神さまとの交歓は、家族全員でにぎやかに行います。仲良く睦み合うから1月は「睦月」。


そして、2月最初の午の日「初午」に開運を祈願して、いなり寿司を食べます。
穀物の神様である稲荷大神が京都の伏見稲荷に鎮座された日だとか。

今年は2月7日。恵方巻きに浮かれている場合じゃありません。



こんな感じで、極寒期を乗り切る趣向満載の2ヶ月間。

まずは胃を休める七草粥から始めましょうか。


魅力は乱反射から

2018年01月14日 | うんちく・小ネタ



食品業界の最新トレンドとして、「マイクロ粒子」というものがあります。
これは、粉末入りの緑茶飲料に代表される超微粉砕技術で、1ミリの1000分の1であるマイクロメーターレベルの粉末を商品に配合し、風味を向上させるという加工技術です。


石臼で挽いたような数ミクロンの粉末が食品業界を変えようとしているのです。
ところが、化粧品業界の技術はそんなものではありません。マイクロのさらに1000分の1、「ナノ粒子」を使っているのです。



キーワードは光の散乱。


ヒトの皮膚は細胞や線維、色素などさまざまな部品で構成されていて、光が入射するとこれらの部品の境界面で何度も何度も散乱しながら拡散していくのです。

昔の化粧品ではこの皮膚上の自然現象が再現できず、バブル期のような野暮ったいベタ塗りメイクになっていました。
これがナノ粒子で一気に解決。酸化鉄、酸化チタンなどの無機顔料や、サンセットイエロー、赤色201号などの有機顔料を数十ナノメートルサイズにすることで光が乱反射し、透明感のあるナチュラルメイクが完成するのです。
 


ソフトフォーカス効果というのもあります。これは、写真を撮る時に焦点をわざとぼかして軟らかい感じに仕上げるワザをイメージし、粘土鉱物であるタルクやマイカをアクリル系の球状ポリマーでコーティングして、光の拡散で皮膚上の陰影をぼやかすことで小じわを見えにくくする技術。

さらに、真珠の透明感を真似たパール顔料も開発されました。
炭酸カルシウム結晶とタンパク質の乱反射で、ナチュラルメイクは進化したのです。


恐るべし化粧品業界。



美の追究は食欲を上回り、微細技術は食品の1000分の1スケールで高付加価値を実現。

加工食品も負けてはいられないですね。ナノサイズの泡「ナノバブル」で牡蠣を殺菌する技術が実用化されてはいるのですが、次は味なのだとか。
ナノサイズの粉末で味の乱反射を引き起こし、調味料をたっぷり使用してもナチュラルな味に感じる技術などいかがでしょうか。


とんでもない妄想が頭を駆け巡るこの頃です。



迎春

2018年01月01日 | うんちく・小ネタ