あんなこと こんなこと 京からの独り言

「京のほけん屋」が
“至高の薀蓄”を 京都からお届けします。

東西の文化の違い

2020年03月15日 | うんちく・小ネタ


ツクシの季節がやってきました。
ツクシのおいしさをだれも理解してくれません。卵とじにするとおいしいのですが。
ツクシなんて、その辺に生えている雑草でしょと・・・。



調べると、「東のコゴミ、西のツクシ」という言葉がありました。
コゴミはクサソテツという山菜の若葉で、この時期東日本でのみ食べられる野草らしいのです。

今さらながら、東西の文化の違い。
 
新潟女子短大名誉教授の本間先生は、「東西の文化は縄文人と弥生人がせめぎ合った結果、
フォッサマグナで分かれた」と語っていました。
フォッサマグナは中部地方で本州を横断する大地溝帯で、地質学の世界では東北日本と
西南日本の境目とされています。



なぜフォッサマグマなのかは不明ですが、土着の縄文人が九州に上陸した渡来の弥生人に
押されつつも、フォッサマグナあたりで踏ん張ったという感じです。

本間先生が挙げた他の東西事例をご紹介します。

・東の豚肉、西の牛肉…これはよく知られる地域性。武士が多い東日本には馬も多く、
 牛に慣れた農民が多い西日本と違って牛を飼う余裕がなかった。
 よって、飼いやすい豚が増え、豚肉嗜好になったとか。


 
・東の鮭、西の鰤…正月のご馳走として食べる魚の違い。鰤文化圏で育った私は、
 上野アメ横の新巻鮭が師走の風物詩であることを知ると違和感がありました。
 
・東のなす、西のなすび…ついでに東のかぶ、西のかぶら。なすびって、標準語
 じゃなかったの?
 
・東のいます、西のおります…「私はここにいます」という言い方も東西で異な
 ります。私はおります派です。
 
・東の4秒、西の2秒…これは、ゲンジボタルの点滅間隔の違い。つまり、西の
 ホタルの方がせっかち。ヒトもそんな感じですが、弥生人の影響かフォッサマグナ
 の影響なのか。



さまざまな東西文化がフォッサマグナで線引きされるのは実に不思議です。
ホタルの瞬きにまで影響を及ぼすのですから、地磁気やマグマのフォースが何かしら関与
しているのではないかと思ってしまいます。 

ツクシの卵とじを頬張りながら、数千万年前の地質変動に思いを馳せるのでした。