あんなこと こんなこと 京からの独り言

「京のほけん屋」が
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朝が早くなる・・・

2014年10月19日 | うんちく・小ネタ


「早起きは三文の得」は英語で、早起き鳥は虫を捕まえる(The early bird catches the worm)」となります。

ところが、英オックスフォード大学の研究チームが2000羽以上の鳥にマイクロチップを取り付けて行動を追跡したところ、「早起き鳥は虫を捕まえる」とも言い切れない実験結果が出てしまったそうです。





確かに、小型の鳥は一晩で体重が10%も減少するため、毎日昼間によく食べなければなりません。
しかし、食べ過ぎて体重が増えると動きが鈍くなり、タカなどの捕食者に狙われやすくなるのです。

このジレンマを解決すべく、早起き鳥は午前中餌場の偵察のみで何も食べずに絶食し、明るいうちは捕食者をかわすことができる身軽で敏捷な体を維持するのだとか。

そして、午後の遅い時間になってから早朝に集めた情報を生かして餌を見つけ、体重を気にせずがっつり食べるのだそうです。





なるほど、単に早起きすればいいということではなく、うまく世渡りをした上で虫を捕まえなければならないわけですね。

早起き人も然り。

天敵や捕食者や嫌な奴をかわす身軽な体型を維持しつつ、がっつり仕事をこなせるように、早起きに精を出すべきだと思うこの頃です。


ビル・ゲイツも考えた “たまご”

2014年10月05日 | うんちく・小ネタ



アップル社やマイクロソフト社など、米国経済の発展を支える自由な社風はIT産業だからこそ花開くもので、地味な食品業界には不向きだと思っていました。
ところが、そのマイクロソフト社のビル・ゲイツ氏らが出資するベンチャー系食品メーカーのハンプトン・クリーク・フーズ社(2011年設立)が、実に米国らしい自由な発想によるおもしろい加工食品を開発しているのです。





それは、「鶏卵が調理において担っているすべての機能を体系的に特定し、それらを植物性タンパク質で再現する」という食品。つまり、味や栄養面はもちろん、乳化、凝固、泡立てなど調理で求められる鶏卵の価値を大豆などの植物で代用するというのです。





すでに、鶏卵を使用しないマヨネーズ「ジャストマヨ」、クッキー作りで鶏卵の代わりに使える「ビヨンドエッグ」が発売中で、高い評価を得ています。
さらに、これまで市場に出回っていた他社の鶏卵代用品は、ほとんどがアレルギー対策を主目的としていたのですが、ハンプトン社は環境保護面での貢献も強調しています。





全世界で雌鶏が産む卵は年間に1兆個を超えているのですが、その効率は非常に悪く、鶏卵の生産で1キロカロリーのタンパク質を得るには39キロカロリーのエネルギーが必要で、牛肉と同じくらい環境に負荷をかけています。

これに対し、植物の場合だと投入エネルギーはたった2.2キロカロリー。

なるほど、鶏卵や牛肉生産の陰にはかなりの無駄があることがわかります。人類が直ちに肉食をやめると世界中の食糧危機が解決するというのですが、鶏卵も肉食サイドにある食品なのかもしれません。




今後、ハンプトン社が挑む難問は、鶏卵を使用することで得られるケーキのふわふわ感を植物素材で再現すること。一般的なケーキの生地は、砂糖と脂肪によって閉じこめられた気泡を卵黄のタンパク質が取り囲み、加熱によってこの気泡が固定されてふわふわになります。




鶏卵大好きで世界第2位の消費を誇る日本だけに、味にはうるさいぞぉ!。

ハンプトン社の技術が鶏卵を超えられるのか、厳しく見守りたいと思うのです。