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貴方の記憶は大丈夫?

2015年08月30日 | うんちく・小ネタ


認知症に関しての新たなるテストが開発されたそうです。このテストを受ければ、記憶障害にかかるリスクが高いかどうかを判別することが可能だとか。
この新手法は、世界で4700万人がかかっているという認知症の早期発見を目的としたものだそうです。

研究の著者であり、米ミネソタ州メイヨ・クリニックのアルツハイマー病研究センターのロナルド・ピーターセン博士は、今回の成果が、認知症にかかるリスクの高い人間を早期に発見し、予防的治療を実施する一助になるのではないかと期待しているとのこと。

WHO(世界保健機構)の推定では、2030年までに認知症患者は7500万人まで増加するとされています。
「軽度認識障害とされる記憶や思考の障害を生じるリスクが高い個人の早期発見は、非常に重要です。と言うのも、軽度認識障害のある人はやがては認知症にかかるリスクも高いからです。しかし、この方法なら予防措置を開始するための機会も広がることでしょう。」とピーターセン博士。



本研究では、ミネソタ州オルムステッド郡の住人から70~89歳で、記憶思考障害の既往歴がない1,449人人たちを無作為に選択。
こうした被験者に研究の開始時、および平均4年に渡って実施された15ヶ月ごとの来院時に記憶思考テストを受けてもらったそうです。

なお、この研究期間中、ほぼ3分の1にあたる401名が軽度認識障害を発症しているとの報告もありました。
このテストでは診療記録から簡単に知ることが可能な要因を考慮したそうで、これには教育を受けた年数、薬の服用数、脳梗塞や糖尿病の既往歴、喫煙の有無などが含まれています。さらに思考能力、鬱や不安神経症の兆候、歩行速度の遅れなど、同クリニックの来院時に入手された情報も加味されていました。



各要因には、記憶障害を発症するリスクに寄与した度合いに応じたスコアが割り当てられています。
例えば、75歳前に糖尿病と診断された場合、リスクスコアは14ポイント、教育を受けた年数が12年以下の場合は2ポイント上昇するといった具合。
こうして判明した予測因子の多くには、性別による差が認められたそうです。記憶障害リスクはどの年齢でも加齢によって上昇する一方、年齢が若い層の男性では、女性と比べると軽度認識障害を発症するリスクが高かったそうです。反対に年齢が高い層の場合は、女性のほうが高リスクであったとか。
記憶障害のリスクを最も高める要因は、年齢、糖尿病、心疾患リスク因子、鬱、不安神経症などで、研究中に認知症と関連する特定の遺伝子も発見されたそうですが、そのリスクは中程度と判明したそうです。
「このリスクスケールはコストが安く、医師にとってはより詳細な検査を受けた方が望ましい患者を診断する、手軽な方法となるでしょう」とピーターセン博士は説明しています。



今回の研究に使用された一部のものですが、「最近物忘れがひどくなった。これって認知症?」と心配な方は、 以下のチェックテストをやってみて下さい。


「塩」

2015年08月02日 | うんちく・小ネタ



昨年、「日本国宝展」で、志賀島で発見された金印を見てきました。
誰もが一度は教科書で見たことがある「漢委奴国王」と刻まれたあのハンコです。

実物は教科書の印象より小さく2センチ角くらい。ただ、その金色の輝きが尋常じゃなく、ものすごいオーラを放っていました。第一発見者である志賀島の農民も腰を抜かしたに違いありません。

ハンコ文化の日本ならではの国宝が一番の目玉展示で、作られた弥生時代と発見された江戸時代に思いを馳せながら、ありがたく後光を浴びてきました。

過去を学ぶことは未来をつくる第一歩なのですから・・・。



一方、過去の栄光を否定して未来につなげたのが現代のハンコである「シヤチハタ印」。
シヤチハタ株式会社はもともと朱肉とスタンプ台のメーカーで、1925年に発売したインク補充の必要がない「万年スタンプ台」を主力に発展を遂げてきました。
そして、1965年にスタンプ台不要の浸透印「Xスタンパー」を発売して大躍進。
スタンプ台の存在を否定する商品にあえて挑戦することで未来を拓き、現在のシェア80%。
シェアが高すぎて「シヤチハタ」という社名で商品が扱われていますが、実際の商品名は今でも「Xスタンパー」なのです。



このシヤチハタ印、多孔質の合成ゴムの印面までインクを浸透させて押印する仕組みですが、ゴムを多孔質にするために塩を使っているのです。ゴム原料に塩の微細結晶を混ぜ込んで合成したのち、そのゴムを水洗することで塩の結晶が水に溶け、多孔質のゴムが出来あがる仕組みなのだとか。



かつて給料のかわりに塩が支払われていたことから、「salt」→「salary」となったらしいのですが、給料の受け取りで押したシヤチハタ印の製造に塩が使われていたというのもロマンある話しであります。

世は「塩パン」ブーム。 「塩ハン(判)」も忘れないで欲しいものですね。