大学時代、何の興味も持てなかった文化人類学の講義。単位を取るためだけにあるような教養課程において、その象徴のような学問だと思っていました。
ところが、社会の垢にまみれながら本や映画や傑物との出会いが数十年ばかし堆積した今日、ちょっとだけ文化人類学を学んでみたくなりました。
民族、宗教、イデオロギー、言語と進化、戦争と平和、文化と文明。
そんな知的好奇心を満たすTV番組があったのです。
「ダイアモンド博士のヒトの秘密」というタイトルで、全12回にわたって講師をしてくれたのが、「人間はどこまでチンパンジーか? 人類進化の栄光と翳り」「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎」等の著書で有名なUCLAのジャレド・ダイアモンド博士。
各回のタイトルを見ただけでワクワクします。
「1.6%のドラマ」「動物のコトバ、ヒトの言語」「夫婦の起源」「不思議いっぱい ヒトの寿命」「農業は人類に何をもたらしたか」「進化から見た文明格差」「地球外生命体も進化する?」
第1回目の講義を紹介すると・・・、ヒトとチンパンジーの遺伝子の違いは僅か1.6%であり、宇宙人から見ればヒトは「第3のチンパンジー」であるという内容。
ヒトとチンパンジー分かれたのは500万年前。300~200万年前にヒトが2足歩行を始め、アウストラロピテクス、ネアンデルタール、ホモサピエンスに分かれました。
ホモサピエンスが残ったのは、発達した言語を持っていたから。言語があれば計画を立てることができ、他の種より優位に立てる…。
そして、最も興味深かった講義が地球外生命体を論じた回。
大宇宙には他の生命体もいるだろうに、なぜエイリアンが地球にやってこないのかの解説が怖かったのです。
結論は、「高度文明は長続きしないから交わらない」。
地球誕生から45億年、生命誕生から35億年ですが、交信できる文明はマルコーニが無線電信を発明した1901年以降。
しかし、2050年には核戦争と環境破壊で文明は崩壊するというのです。
この間たったの150年。
長続きしない高度文明では異星人どうしが交わる可能性が低すぎるというのです。
え~っ、2050年には文明が崩壊するの?
詳細を学ぶべく、ダイアモンド博士の著書を読みあさる今日この頃です。