あんなこと こんなこと 京からの独り言

「京のほけん屋」が
“至高の薀蓄”を 京都からお届けします。

オンナゴコロ

2010年08月30日 | うんちく・小ネタ

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昨年、電通、博報堂、アサツーディ・ケイが中心となって全日本広告連盟が開催した広告イベントが好評でした。総合テーマは「ニッポンを元気にする オンナゴコロ・マーケティング」。
消費回復のヒントは女性心理のつかみ方にある、という切り口でしたが、バブル景気との関わりを40代、30代、20代で分けて考察した点が斬新でした。

                                                             40代女性(当時20代)…バブルカールズ。
バブルを謳歌したバブルガールズは超がつくほどポジティブで自信に満ち溢れ、生き方や消費も非常に強気で積極的。まさに現代の消費を牽引する「いつまでもお祭りさん」。
攻め方のツボは、「オンナであることを褒めよ!お立ち台を用意せよ!キラキラ感を演出せよ!」。

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                                                             30代女性(当時10代)…アフターバブルカールズ。
中高生の時にバブルが崩壊。団塊ジュニアを多く含み、受験も就職も少ない枠を競う過酷な競争を経験。バブルガールズに比べて高望みしない「平穏を求める堅実さん」。
攻め方のツボは、「消費ではなく、自己投資に見せよ!存在価値を肯定せよ!小さくて確かな幸せを具体的に示せ!」。

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                                                               20代女性(当時キッズ)…ノーバブルカールズ。
ゆとり教育と個性教育のせいか、私らしさを過剰に大事にする「自分サイズのオンリーワンさん」。
何がいいかは自分で決めるから、提案を押しつけられても困るのだとか。
攻め方のツボは、「ネタとノリで攻めろ!常識にとらわれるな!提案するな!」。

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この、オンナゴコロ・マーケティングを具現化したような2つの曲を、過日、NHK特番「青春の言葉 風街の歌 作詞家松本隆の40年」で耳にしました。
松田聖子(48歳)が歌う「赤いスイートピー」と、綾瀬はるか(25歳)がカバーした「赤いスイートピー」。
本家松田聖子のゴージャスな歌いっぷりはまさに「いつまでもお祭りさん」で、綾瀬はるかの素朴な声は「自分サイズのオンリーワンさん」だったのです。

綾瀬はるか版があまりに上出来で、感動した作詞の松本隆先生が「マーガレット」という新曲を彼女のために書き下ろしたのだそうです。
作曲で再度コンビを組んだユーミンが、「赤いスイートピーの2010年版だ」と語っていました。

時代と世代を越える2つのオンナゴコロ。作り手も歌い手もすごいですね。              

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逆境をプラスに

2010年08月23日 | うんちく・小ネタ

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今から5、6年前、日本でエコブームが盛り上がりを見せ始めた頃、 倹約志向で消費が冷え込むことを懸念したマーケティングの専門家たちは、ロハス(LOHAS=健康と環境を志向するライフスタイル)という米国生まれの造語でエコを購買活動に結びつけようとしました。米国では2兆円規模といわれるロハス市場も、日本では定義自体があいまいでビジネスとしての魅力も今ひとつですが、言葉を紡いで市場を動かそうとしたマーケッターの執念は凄いと思います。
そんな逆境をプラスに変える最近の市場用語を、いくつかご紹介致します。

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「投資者」
いわゆる草食男子の消費行動は極めて女性的で、男らしさの演出は不要。
体臭や肌荒れ、カロリーなどを気にしつつサプリメントを摂取。
そして、女性の消費特徴だった「自分へのごほうび」を購入します。
そこで、彼らを消費者ではなく投資者と称し、自分への投資活動を促進させ、市場を活性化するのです。

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「プチ贅沢」
1億総倹約時代の贅沢は、プラス300円。桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」や、マクドナルドの「クオーターパウンダー」がヒットしたのは、プラス300円でささやかな贅沢が味わえる点にあるそうです。かわいいことに弱い日本人の心をくすぐる「プチ」という響きと、さほど家計に影響しない300円の贅沢が市場にはまったのようです。

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「生活をマネジメント」
深夜営業のスーパーで第3のビールをケース買いしたり、ドラッグストアの特売で冷凍食品を漁ったりする独身男性が増えたそうです。ひと昔前なら賢い主婦の独壇場だったこれらの購買活動に、独身男性が目覚めたのだとか。
元来、ケチな男性は女性に嫌われるものですが、不況真っ只中の昨今では、「生活をマネジメントできる」と婚活に有利だそうです。

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物は言いようという感もありますが、低成長時代に市場を創造する知恵者の工夫には脱帽するばかりです。

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夏季休暇 ご挨拶 

2010年08月09日 | うんちく・小ネタ

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世界初の探偵社

2010年08月02日 | うんちく・小ネタ

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世界で最初に私立探偵社を作ったのは、アラン・ピンカートンという人物。彼はイギリスで生まれたが、23歳のとき、アメリカに渡って、シカゴで桶や樽を作る職人になりました。

ある日、材木を探しに森へ入ったら、数人の男がテント暮らしをしているのを見つけます。「怪しい連中だな」と彼は直感して、警察に知らせたところ、偽金作りの一味であることがわかりました。

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                      アラン・ピンカートン

この初手柄で、彼は犯罪捜査に興味を覚え、保安官になります。彼の父親が警察官だったので、やはり、その血を受け継いでいたようでした。それから郵政省の特別捜査官になり、列車強盗や銀行ギャングを片っ端から捕えて、すっかり有名になっていき、1850年に独立して、私立探偵社を設立します。ちなみに創業当時の部下は9人だったとか。

 1.賄賂をもらってはいけない。
 2.わが社は1日24時間、勤務する。

これがピンカートン探偵社の規則で、バッジには、大きく見開いた目の下に、「我々は眠らない」という言葉が彫ってありました。

          

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彼の名探偵振りがアメリカ中に知れ渡ったのは、リンカーンの暗殺を未然に防いだこと。リンカーンが大統領の就任式に出席するため、首都・ワシントンへ行く途中、奴隷解放に反対する南部人が暗殺を計画。ピンカートンはこの情報を部下から知ると、巧みに変装して暗殺団に加わり、まんまと彼らの裏をかいて、大統領を危険から救ったのだそうです。

フォード劇場でリンカーンが暗殺される1年前のことでした。E59bb31568_3 

  フォード劇場とリンカーン暗殺時に座っていた場所と椅子

                                                                  当時のアメリカは、まだFBIのような強力な警察機構がなかったため、ピンカートンは無能な保安官を尻目に、めざましい活躍をし、そのたびに会社は大きくなっていきます。現在でも世界最大の探偵社になっています。ちなみに推理作家のハメットは、ここの探偵社出身だそうです。

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                   推理作家 ハメット

    
     
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              お知らせ
    
    来週よりお盆を含む夏のお休みを戴きたく、
    2週に渡っての更新をお休みさせて下さい。
    その間のコメントの書き込みは、お断り致します。
    改めて8月8日(9日深夜)に、詳細を告知させて
    戴く予定です。
    何卒ご容赦のほど、お願い申し上げます。                    
                       
                        京のほけん屋
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