昨年、電通、博報堂、アサツーディ・ケイが中心となって全日本広告連盟が開催した広告イベントが好評でした。総合テーマは「ニッポンを元気にする オンナゴコロ・マーケティング」。
消費回復のヒントは女性心理のつかみ方にある、という切り口でしたが、バブル景気との関わりを40代、30代、20代で分けて考察した点が斬新でした。
40代女性(当時20代)…バブルカールズ。
バブルを謳歌したバブルガールズは超がつくほどポジティブで自信に満ち溢れ、生き方や消費も非常に強気で積極的。まさに現代の消費を牽引する「いつまでもお祭りさん」。
攻め方のツボは、「オンナであることを褒めよ!お立ち台を用意せよ!キラキラ感を演出せよ!」。
30代女性(当時10代)…アフターバブルカールズ。
中高生の時にバブルが崩壊。団塊ジュニアを多く含み、受験も就職も少ない枠を競う過酷な競争を経験。バブルガールズに比べて高望みしない「平穏を求める堅実さん」。
攻め方のツボは、「消費ではなく、自己投資に見せよ!存在価値を肯定せよ!小さくて確かな幸せを具体的に示せ!」。
20代女性(当時キッズ)…ノーバブルカールズ。
ゆとり教育と個性教育のせいか、私らしさを過剰に大事にする「自分サイズのオンリーワンさん」。
何がいいかは自分で決めるから、提案を押しつけられても困るのだとか。
攻め方のツボは、「ネタとノリで攻めろ!常識にとらわれるな!提案するな!」。
この、オンナゴコロ・マーケティングを具現化したような2つの曲を、過日、NHK特番「青春の言葉 風街の歌 作詞家松本隆の40年」で耳にしました。
松田聖子(48歳)が歌う「赤いスイートピー」と、綾瀬はるか(25歳)がカバーした「赤いスイートピー」。
本家松田聖子のゴージャスな歌いっぷりはまさに「いつまでもお祭りさん」で、綾瀬はるかの素朴な声は「自分サイズのオンリーワンさん」だったのです。
綾瀬はるか版があまりに上出来で、感動した作詞の松本隆先生が「マーガレット」という新曲を彼女のために書き下ろしたのだそうです。
作曲で再度コンビを組んだユーミンが、「赤いスイートピーの2010年版だ」と語っていました。
時代と世代を越える2つのオンナゴコロ。作り手も歌い手もすごいですね。