あんなこと こんなこと 京からの独り言

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誰が得してるのかな

2022年02月15日 | うんちく・小ネタ
     

先日、ある商業ビル内の紙コップ自販機でコーヒーを買ったところ、
なんと1杯20円でした。

それは、この自販機にスポンサーが付いていたからです。
スポンサー企業の広告が紙コップに印刷され、待ち時間には
自販機本体の液晶モニターに同様のCM映像が流れます。



1カップあたり約80円という広告収入のおかげで、
20円コーヒーが実現可能となったわけです。

さすが自販機先進国日本。



飲料自販機240万台は人口1人あたり世界一ですし、
当たり前のように利用しているホット&コールド自販機が
あるのも日本だけだそうです。



広告の最前線は景気のいい話ばかりですが、現実的には、
企業の経費削減で真っ先に対象となるのが広告宣伝費。

費用対効果が不明瞭だし、削減したからといってすぐに売上に
影響することもありません。
逆に言えば、広告宣伝費の多い企業は、優良で余裕がある
ということになります。


 
日経広告研究所がまとめた、近年の広告宣伝費ランキングを見ると、
1位トヨタ自動車4708億円、2位サントリー3859億円、
3位ソニー3594億円、4位日産自動車2808億円、
5位楽天2308億円。
 
やはりトヨタはすごいですね。

これらの広告宣伝費が、商品の原価にどの程度配分されているのか、
消費者として興味の湧くところですが、ビールの原価構成を、
文教大学の富田輝博先生が自著で紹介していました。



売価218円の缶ビールのメーカー出荷価格は158円で、
内訳は原材料費39円、酒税78円、利益41円。
この利益の中に、広告宣伝費14円が含まれているらしいのです。

広告で20円になるコーヒー。広告に14円かける缶ビール。
一体誰が得しているのかわからなくなる広告費の世界ですね。