あんなこと こんなこと 京からの独り言

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挑戦してみませんか

2017年04月23日 | うんちく・小ネタ



最近はやりのマインドフルネス。なんだか洗脳されてしまいそうな単語ですが、実際は宗教色を排除した科学的な瞑想のこと。
1979年、マサチューセッツ工科大学のジョン・カバット・ジンが、瞑想の効果を医療に役立てる「マインドフルネス・ストレス低減法」を開発。
さらに1990年代に入り、ダライ・ラマ14世が「1日8時間も瞑想するチベット仏教の修行を効率的に変えたい」と、瞑想の科学的検証を開始。

fMRI(機能的磁気共鳴画像診断)で、瞑想時に僧の脳内の特定部位が活性化することを確認したそうです。



これらの検証結果に目をつけたグーグル社が2007年にマインドフルネスを社員研修に取り入れたことから、追随する企業が一気に増加したとか。

マインドフルネスに挑戦してみましょう!
まずは集中瞑想。



基本となるポイントは「調身」「調息」「調心」の3つ。


調身とは姿勢のこと。
背筋を伸ばして肩の力を抜き、椅子に座る。
目は軽く閉じるか半眼。
おへその下あたりの「丹田」に力を入れると自然とよい姿勢になる。


調息とは呼吸のこと。
吸うよりも吐くほうを長く、ゆっくりと深い呼吸をしてリラックスする。


調心とは心を整えること。
一つの対象に意識を集中させる。例えば自分の呼吸。
吸う息は少し冷たく吐く息は少し暖かい。空気の流れ、胸やおなかの動きに意識を向けてみる。



集中瞑想時の脳内を観察すると、集中力、記憶力、認知能力に関係する「前頭前皮質」という部位が活性化することがわかってきました。

すなわち、これらの能力が鍛えられるということ。
うまく瞑想状態に入るにはある程度の訓練が必要ですが、姿勢を良くする調身だけでも十分効果はあるそうです。



スマートフォンの普及で猫背が増えました。うつ向き姿勢が首の骨に負担をかけ、飛行機の離着陸で首を痛める客室乗務員が増えたという話も聞きます。


まずは背筋を伸ばし、胸を張って丹田に力を込めてみましょう。
ただし、集中瞑想を気にしすぎて、迷走・・せぬよう注意が必要ですよ。



タイムマシンで過去に戻れば未来が見える・・・

2017年04月11日 | うんちく・小ネタ



ある科学雑誌に掲載された「最近のいくつかの研究は、植物に視力があることを示唆している」という驚きの記事を見た瞬間、昭和43年に流行ったゼブラボールペンのCMを思い出してしまいました。

「見える見える」

ただこれだけのキャッチコピーとともに、真っ黒な画面上で白目のイラストが左右にぎょろぎょろする映像は、インクの減りが見える画期的な透明ボールペンを告知するに十分なインパクトでした。

つまり、植物に視力がある=葉っぱに付いた目が「見える見える」とあたりを見渡すというホラーな状況が、50年前の映像を想起させたのです。



1907年、チャールズ・ダーウィンの息子フランシス・ダーウィンは、レンズのような細胞と光感受性細胞が組み合わさった器官が木の葉に備わっているという仮説を立てました。
1世紀を経て、この仮説が証明されつつあるのです。

ボン大学のバルーシュカらは、シロイヌナズナ属の植物などが、「眼点」の発達と機能に必要なタンパク質を作っていることを示したとか。
眼点とは、一部の単細胞生物に見られるごく基本的な目のことのようです。



また、木に巻きついて伸びるアケビ科のつる性植物は、自分の葉の色と形を宿主植物の葉に似せて変えられるという報告もあります。



植物が視力を獲得しようとする目的は何か。ゼブラボールペンのCMをリスペクトしつつ、共に昭和43年にヒットしたCMのキャッチコピーにそのヒントがないか、いろいろ妄想してみました。

「大きいことはいいことだ(森永エールチョコレート)」
大きく育つために全体を見渡す。


「わんぱくでもいい たくましく育って欲しい(丸大ハム)」
過酷な環境下でワイルドに育つたくましさを身につける。


「お正月を写そう(フジカラー)」
目標とする植物の晴れ姿を目に焼き付ける。




50年前のCMといい、100年前のダーウィンといい、未来を切り拓くヒントは過去に散らばっていることを痛感した次第です。