あんなこと こんなこと 京からの独り言

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成功するための秘訣

2015年10月25日 | うんちく・小ネタ



一般的に「不安をあおる」というと悪い意味になりますが、これをポジティブに活用している事例がいくつかあります。

例えば、駅ホームの発車メロディ。
通常の楽曲は、ドミソ(C)→ファラド(F)→ソシレ(G)→ドミソ(C)という感じで、最終的にしっくり落ち着くコード進行が基本ですが、ホームで落ち着いてしまったのでは電車に乗り遅れてしまいます。
そこで、C→F→Gで切ることで乗客をせかし、あおり、「乗らなきゃ」という精神状態にさせるわけです。



横断歩道のBGM「とおりゃんせ」もそうなのです。
あのおどろおどろしくも暗いマイナーコードにせかされ、あおられ、歩調を早めてしまいます。
明るくおおらかな曲でのんびり横断歩道を渡るより、不安できょろきょろの方が安全。



そして、テレビショッピング。
「QVC」「ショップチャンネル」など、最近のテレビショッピングはものすごくレベルが高くなりました。
あおるといっても、昔のように「今買わないと絶対損」とか「これ飲まないと病気になる」といった脅迫まがいの押し付けではありません。

キーワードは、「残り半数」「ウェイトリスト」「sold out」。
スタジオライブの商品プレゼンを見た顧客が電話注文し、そのオーダー数が画面上でカウントされます。
次々と数が増え、そして、「残り半数」お早めに。今なら4日以内のお届け可能。
さらに残り少なくなると発送に時間がかかる「ウェイトリスト」入り。
ついには「sold out」。

・・・で番組終了。このライブ感、臨場感は興味を持って観ていると、すごいなと感じます。
途中、1度たりとも「買ってください」という説得トークはないのですが、なぜだか納得して電話をかけてしまう・・・。
もはやマジックの世界(?!)。



舞台鑑賞もそうですね。映画なら、封切観なくてもいいや→DVDでいいや→テレビ放映まで待つか、というような油断が生じるものですが、舞台はその時その瞬間しかありません。観ないと後悔する感が満載の告知にはかないません。
商売の基本は「明日お客様が来ないかもしれない」という危機感だそうです。あおられる気持ちを逆手に活かすことが、成功の秘訣のひとつのように感じた次第です。