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「江戸の長屋生活」に関した本を読んでいます。
その中で「長屋が質素な造りになっていたのは、燃えてもすぐに建て直せる家が必要だったから」と説明がありました。
水が不足していた江戸では、火災発生時に「破壊消火」に頼ったそうです。つまり、壊しやすい家が求められたわけです。
江戸の町は、燃えてしまう前提で造られていたのですね。
あるTV番組でも、町人が闘った”大火の都”と紹介されました。
大火に遭いながら、どんどんと拡大してゆく世界的にも稀有な都市だったのです。
そして、災厄の町に暮らすことが、宵越しの銭は持たないという江戸っ子気質を生み出すことに。
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諸外国では石造りの堅固な家屋をよく見かけます。ギリシャ、ローマ時代に造られた建物、洞窟をくり貫いて造った家、砂漠の町では泥を固めた家もあります。
なるほど、江戸においては「石材」の調達がままならず、容易に入手できる木材と竹と紙で家屋を建て、そしてその結果として、3年に一度大火に見舞われることになりました。
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江戸は100万人以上の人口を抱える世界最大の都市でした。
武士は65万人ほど、町人は60万人ほど居たそうですが、町人の内40万人ほどが裏長屋(棟割長屋)に暮らしていたようです。
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部屋の広さは四畳半ほど。行燈や布団を置けば、フリーのスペースは狭い。土間には簡易な竈(かまど)と流しがあり、調理用の水は井戸で汲んだものを水甕(かめ)に入れて保存していました。
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一見、不便で貧しい暮らしに見えますが、歴史学者によれば、「長屋の人たちは分け合って、幸せな生活をしていた」とか。
つまり、最低限のモノを持ち、住人同士が貸し借り(シェア)をしたり、「損料屋」(レンタルショップ)から家具・日用品・衣服等をレンタルして合理的に暮らしていたみたいです。
”奪い合えば足らぬ、分け合えば余る”
好きな言葉です。
江戸の長屋の住人は近所同士コミュニティを作り、鍵をかけなくても安心して暮らせる生活を送っていたのです。
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話が戻りますが、読んでいる本の中に「江戸時代の大震災」という章がありました。
安政の東海大地震(南海トラフ、津波あり)について触れています。
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『地震後に伊豆の下田に再来航したアメリカ使節ペリーの副官アダムス中佐は、下田の景観がまったく変わっていたことに驚き、次のように書いています。(ペルリ提督日本遠征記)
『地震によって生じた災禍にも拘はらず、日本人の特性たる反発力が表はれていた。
その特性はよく彼らの精力を証するものであった。
彼らは落胆せず、不幸に泣かず、男らしく仕事にとりかかり、意気阻喪することも殆どないやうであった。』
その特性はよく彼らの精力を証するものであった。
彼らは落胆せず、不幸に泣かず、男らしく仕事にとりかかり、意気阻喪することも殆どないやうであった。』
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余震が続く中で、復興に向けて働く人々。
それが、災害列島に生きる私たち日本人の宿命であり、強さなのかも知れません。
形あるものは、所詮 無くなります。世の中に在るものは、すべて“壊れもの”。
“足るを知る”という「知足の思想」や、私心・我欲・エゴを持たず、互助の精神で生きようとする「無私の思想」などは、こういった天災や大火などを通じて形成されていったのではないでしょうか。
日本人とは悲しい運命であり、同時に強靭な国民だとあらためて思った次第です。
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