あんなこと こんなこと 京からの独り言

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塩と砂糖は賞味期限なし。

2022年12月15日 | うんちく・小ネタ


減塩低糖低脂肪。
昨今の健康志向でやたらと悪者にされる塩と砂糖ですが、調味料としての
素晴らしさを再認識して賢く使ってみようと思っています。
世界的に見ても、日本は塩と砂糖の種類が豊富な国なんですから。

塩は世界最古で、紀元前5千年頃の古代文明から最も多くつくられてきた調味料。
給料を意味する「サラリー」はソルトに由来するくらいだから基本中の基本です。
原料によって「岩塩」「海塩」「湖塩」の3種類に分類され岩塩が約6割を占めるのですが、
国産品はほとんどが海塩。
海に囲まれた日本では8世紀頃に塩田による本格的な塩づくりが始まったのです。





塩饅頭で有名な赤穂市でも平安時代の塩田遺構が発掘されています。
ちなみに、「赤穂の塩饅頭」の塩分は0.55%でポテトチップスの約半分。
意外と低いですね。
一方の砂糖は紀元前5百年頃にインドで作られ、8世紀に中国から日本に
もたらされました。






現在流通している砂糖は、ほとんどが原料の結晶と糖蜜を遠心分離器で分けた
「分蜜糖」で、サトウキビなどの原料をそのまま煮詰める「含蜜糖」は
黒砂糖と和三盆くらい。
分蜜糖の代表格は世界的にはグラニュー糖ですが、なぜか日本では上白糖。
砂糖に1.3%の転化糖(ブドウ糖と果糖の等量混合物)を加えて甘味を強化した
上白糖は和食に合うのですが、他国ではほとんど使われていません。


そして、料理の際は「さしすせそ」の教訓通り砂糖が先で次に塩を入れます。
分子量が342と大きめの砂糖を先に入れておかないと、分子量58.45で
小回りの効く塩が先では食材が塩で満たされてしまい、砂糖の入るスペースが
なくなるのです。






ちなみに、酢、醤油、味噌の順番は浸透度合いというより風味の問題。
味噌を最後に入れないと、いい香りのおふくろの味噌汁は味わえません。


塩と砂糖。
塩味があればこその甘いあんこ。
そんな人間を目指したいと思うこの頃なのです。


12月

2022年12月01日 | うんちく・小ネタ
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