あんなこと こんなこと 京からの独り言

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あなたは?

2018年04月22日 | うんちく・小ネタ



スポーツの世界で大成するのは長男長女より次男次女であることの方が多いそうです。
若乃花より貴乃花、浅田舞より浅田真央、岩村敬士より岩村明憲…。
下の子の方が総じて体格がいいということに加え、まあまあほったらかされて(?)ワイルドに育ったことが奏功するのだと思います。



ほったらかされ環境がプラスになるのは、アレルギーの世界ですでに検証されていることです。
1958年3月生まれの英国人17,414人を調査したところ、年上の兄弟がいると11~23歳時における花粉症および1歳までの湿疹の有症率が低いというのです。



アレルギー症状は、きれいな環境で攻撃する相手がいなくなったことで自身を攻めてしまう自己免疫疾患。

だから、幼少期に田舎で家畜と生活を共にした人にアレルギー患者は少ないそうですし、「お大事子」の長男長女はアレルギーを覚悟せねばならないとまで言われています。

他にもいろいろとあります。



イタリア空軍士官学校で17~24歳の学生を調査したところ、A型肝炎ウイルスに感染した群ではアレルギー性鼻炎の頻度が低かったそうです。

和歌山県中部の中学1年生を調査したところ、ツベルクリン反応陽性の学童はアレルギー性鼻炎や湿疹の有病率が低かったそうです。

イギリスの学童を調査したところ、2歳までに抗生物質を経口投与するとその後のアレルギー発症率が増加したそうです。

そして、マウスの実験では、寄生虫に感染したマウスは非感染マウスに比べてアレルギー症状が軽かったとか。





では最後に食生活。
これは、食事の欧米化が原因。典型的な欧米食にはリノール酸が多く含まれるのですが、リノール酸は体内でアレルギー症状を引き起こすロイコトリエンやトロンボキサンに変換してしまうのです。

そこで魚。ご存じEPAやDHAは抗アレルギー作用を持っています。
長男長女でツベルクリン反応陰性の方は、魚を毎日食べてみて下さい。




文化感の相異を学ぶ

2018年04月08日 | うんちく・小ネタ


NHKのアンケート調査によると、日本で定着している行事食といえば、1位は年越しそば84%、2位は正月の雑煮82%、
3位おせち料理78%、4位クリスマスケーキ75%。なぜか年末年始に集中していました。
そして、恵方巻きを食べるという人の比率が67%で5位でした。



セブンイレブンが命名して30年。
完全に定着した感がある恵方巻きですが、その節分で思い出すのは、友人の家にホームステイしていたアメリカ人大学生のこと。
たまたま節分の日に友人宅を訪ねた私は、異国人と一緒に豆を投げ、異文化を伝えました。
英文科卒の友人は苦労して「節分」を英訳。「The traditional end of winter」。

確かに節分は立春の前日だから冬の終わり。
「Get out demon」なんて言わなくてよかった・・・。



鬼退治が終わった後、そのアメリカ人に年の数だけ豆を食べることを勧めたのですが「それはメキシカンの食べ物ね」と言って食べようとしませんでした。
なんだか根の深そうな問題でしたし、「豆由来のイソフラボンを摂取するとキレイになるよ」と英語で伝えきる自信がなかったので話題を変え、他に食べたくない日本食があるか聞いてみることに。



すると、「タコ焼きは食べたくない。タコはデビルフィッシュって言うのよ。タコなしならいいけど」…タコがないとねぇ。
「海藻は食べたくない。海の中の毒を全身で引き受けているから」…それがミネラルたっぷりの理由なんですがぁ。
「食パンは食べたくない。不自然に白すぎて栄養がない感じ」…確かにアメリカには白い食パンが少ないですねぇ。




アメリカで完全に定着した日本食は醤油、カニかま、カップラーメンの3つだといわれています。
あとは健康のために頑張って食べていると聞いたこともあります。
なるほど食文化の壁は厚い・・・。


ついでに、「巻き寿司の丸かぶりは行儀悪いか」と尋ねると、「回転寿司で食べ終わったお皿を重ねることの方が行儀悪い」という答えが返ってきました。
 
奥が深い。

異文化を学んだ節分の夜でした。