あんなこと こんなこと 京からの独り言

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猫って

2015年09月27日 | うんちく・小ネタ


入社後3年以内に大卒の3割、高卒の5割、中卒の7割が会社を辞める「357の法則」を回避すべく、上げ膳据え膳で社員教育に奔走する企業が多くなったと聞きます。

そこで、この新人研修がどのくらい心に響いたかを調査すべく、3年目の社員を対象にアンケートを実施。
記憶に残った新人研修ワードランキングとしてまとめた資料を見ました。




第3位「問題と悩み」
新人ならずとも、壁にぶち当たった時の対処法を持っていることは社会人として最高の強みです。ここで肝心なのは、その壁が「問題」なのか「悩み」なのかということ。
問題なら解決策はいくらでもあります。そもそも、ビジネスマンは問題を見つけて解決することで利益を上げているようなもので、問題解決は日常業務。

一方、悩みに解決策はなく解消するしかありません。主な消し方は、趣味、酒、異性、睡眠。

第2位「日本人の給料」
全国のサラリーマン4400万人の平均給料は約440万円、これを上場企業430万人の平均に絞ると約580万円、さらに優良上場企業100社の100万人だと約800万円。刺激的で逆効果になりかねないデータですが、現状把握は重要。




第1位「コントラフリーローディング」
研修の定番である「マズローの5段階欲求」によると、金のために働くのは最も低次元な思考で、最上位は自己実現。
同じ禄を食む仲間ができ、自身の存在が承認され、自己実現へとつながっていくのです。
人間だけではありません。自由に餌を食べることができる箱と、レバーを押さなければ餌が出てこない箱があった場合、猿も犬も鳥もレバー押しを選択するとか。
労働の対価としての餌にこそ意味があるのです。この心理をコントラフリーローディングと呼びます。


労働の意味を問う研修ワードが第1位とは意外でした。
ただ、匿名のアンケート回答の内容を読んでいく過程でおもしろいコメントに出会いました。

「猫になるのもいいかな…」。

前述の動物を対象にしたコントラフリーローディングの実験、実は唯一猫のみレバー押しに執着しないのです。





新たなる連鎖

2015年09月13日 | うんちく・小ネタ


先ずは「ショートプレート」について。でも、野球の話ではありません。
「ともばら」にあたる米国産牛肉の部位名で、牛丼でよく使用される脂身です。
吉野家の牛丼が昨年12月に300円から380円に値上がりした際、ある方が経営するジンギスカンの店も2割の値上げを敢行しました。「便乗値上げだろ」と冷やかしのコメントを浴びせられるも、「羊も高い」とだけオーナーは呟いていたそうです。
どうやら、牛肉が上がると羊肉も上がるらしいのです。この仕組みを、NHKのある番組で解説していました。



世界で生産される牛肉は年間6000万トンで、その6割を日本が消費していたのですが、内陸部まで経済発展が拡大した爆食中国が10年間で牛肉の輸入を6倍に伸ばしたそうです。
鶏肉中心の食文化だった中国人が牛肉の美味しさに目覚めたらひとたまりもありません。日本は買い負けたのです。
さらに、これに目を付けたニュージーランドが人口より多いといわれる羊に見切りをつけ、中国への牛肉輸出を拡大。牛肉は羊肉の5倍儲かるらしいので、戻る見込みもなく、羊肉が高騰したというのです。



ささやかに営業を続ける町の個店では、どうにも抗うことのできない食材の大きなうねり。
番組では、大豆にも言及していました。牛肉の国内生産を強化し始めた中国が、飼料用大豆を年間7000万トンも輸入しているというのです。かつて、大豆の輸入世界一は日本でした。
味噌、醤油、豆腐、納豆…。奥ゆかしくて知恵の詰まった伝統食品の素材が家畜に爆食されてしまい、これも無念の買い負け。

そして牛肉に目を付けたニュージーランド同様、大豆に勝負をかけたブラジル人が、国土の21%を占める広大な草原地帯「セラード」を大豆畑に変え始め、森林破壊による干ばつが問題になってきました。



ジンギスカン屋のおやじと味噌メーカーの購買部長が仕入れに悩む2015年。
元をただせばどちらも中国の肉食が原因だったとは・・・。
別の意味での「食物連鎖」が社会科の教科書に載る日も近いと思った今日この頃でした。


・・・最終的に食物連鎖の頂点はどこになるのでしょうか。