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食べると粘りのある人間になれるのにね、と言われるのが納豆。
納豆のネバネバ成分は、グルタミン酸が約5万個つながったポリグルタミン酸と呼ばれるもの。
納豆菌はポリグルタミン酸を楯にしてアメーバや原生動物などの捕食者から身を守ります。
そして、自身のエサがなくなったらポリグルタミン酸から1つずつグルタミン酸をはずして食べるそうです。
納豆を放置するとネバネバがなくなってくるのはこのためです。
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ポリグルタミン酸にはカルシウムの吸収促進効果もあるそうですが、納豆のポリグルタミン酸にはもうひとつの不思議があります。それは、D型のグルタミン酸が約8割を占めているということ。
ふつう、自然界に存在するグルタミン酸はL型です。
「味の素」の主成分であるグルタミン酸ナトリウムもL型。
D型に旨味はありません。
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D型とL型の違いは、単に構造が左右対称というだけ。
つまり、右手と左手のような関係で同じだけど重ならない不思議なペア。
D型を鏡に映した姿がL型ですから、鏡像体という呼び方もあります。
自然界に存在しないD型グルタミン酸。納豆のネバネバは鏡の向こうからやってきたのです。
そして、グルタミン酸の先駆者である味の素は、ポリグルタミン酸を大量に生産することに成功。
ネバネバ成分だけなので納豆臭はありません。
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これを加工食品に配合するとネバネバのおかげで旨味成分が舌の上で絡み、減塩しても美味しい商品に仕上がるのです。
ネバネバを減塩素材として活用する天才的発想。
粘りのある人間になれるかな、などと呑気なことを考えていた自身を猛省した次第です。
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