あんなこと こんなこと 京からの独り言

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昨今の食糧事情を鑑みると

2020年04月15日 | うんちく・小ネタ


今から20数年前、「ミュージカルは、なぜセリフを歌わなければいけないのか」
という疑問を解決するべく、「オペラ座の怪人」を観に行きました。
 で、疑問の答えとして会得したのは、「ミュージカルは芝居ではなく音楽だ」ということ。
芝居という観点から捉えると会話が歌なのは不自然かもしれませんが、
音楽にストーリーが付いたエンターテイメントと考えれば、感動が素直に胸に染みます。



 
 芝居か音楽か。
 物事は常に2つの側面を併せ持つ。
 トウモロコシのように。
 
以前、アースポリシー研究所のレスター・ブラウン博士の「トウモロコシの2つの側面」
についての講義を聞きました。

 すなわち、「食糧かバイオ燃料か」。





 トウモロコシは食糧として最も重要な穀物であり、日本は世界最大のトウモロコシ輸入国。
飼料としてのトウモロコシがないと、牛乳も卵も牛肉も豚肉も鶏肉も生産できないのです。
そして、その大部分がアメリカからの輸入に依存しています。

なのにアメリカはバイオ燃料ブームで、アメリカで生産される穀物の30%近くが燃料生産
に使われるそうです。
だからトウモロコシの価格も高騰してしまったのですね。

「世界のパン篭であるアメリカが、自動車社会の燃料タンクに変わりつつある」
と、レスター博士。




世界中の約12億台の自動車と、世界中の約46億人の貧困層が、同じ食糧資源を
奪い合っていることになります。
 

         

 レ・ミゼラブルの主人公ジャン・バルジャンは貧しさに負け、一切れのパンを盗んだ罪で
19年間牢獄に入れられてしまいます。
 もしかすると、自動車業界と貧困層がトウモロコシを奪い合い革命を起こして観衆の涙を誘う、
そんなミュージカルが上演される日が来るかもしれません。

 悪い冗談を想像してしまう昨今の食糧事情なのであります。




                    

    新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方及びご家族、関係者の皆様に
   謹んでお悔やみ申し上げますとともに、罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。
    また、医療従事者はじめ、行政の皆様等、感染防止にご尽力されている皆様に、深謝申し上げます。

    一日も早く、これまでの普通の日常とあふれる笑顔の日々が戻りますよう、心より祈念しています。



4月

2020年04月01日 | 日記
4月