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食糧戦略と宇宙生活

2012年11月12日 | うんちく・小ネタ

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ミネソタ大学のフォーリー博士が科学系月刊誌に「人口70億人時代の食糧戦略」という論文を寄稿して、話題になっています。
世界中で約10億人が慢性的飢餓に苦しんでいる状況を憂い、今後40年で食糧生産を2倍にしようという戦略です。40年間で増える人口は20億~30億人ですが、多くの人の所得水準が上昇して食物需要が倍増する見込みなのだとか。
もちろん農業による環境破壊を劇的に減らしながら実現するという難題付きなのですが・・。
博士が提言するのは、次の5つの方策を同時に実行することとあります。

1…熱帯の土地を使っての農地拡大をやめる。
2…収穫量の低い農地の生産性を高める。
3…肥料と水の使用効率を世界中で高める。
4…1人当たりの食肉消費量を減らす。
5…食糧の生産、流通過程で生じる無駄を減らす。

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おもしろいのは4番目の肉食を減らすこと。より多くの食物を、家畜を太らせるのではなく人間の口に直接入るようにすれば、世界の食糧供給可能量と環境の持続可能性が劇的に高まるというもの。極論、食事をすべて植物性食品に切り替えれば、総カロリーを全世界で50%増やすことができるらしいとか。
肉食禁止は極端な話だですが、つまりはそこまで切羽詰まっているということなのでしょう。
それは、人類の祖先が食糧を求めてアフリカを出なければならなかった6万年前のような状況かも知れません。

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NHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか」で解説されているご先祖様の旅を観ました。それは、氷期のただ中にネアンデルタール人と戦いながら食糧を求める超過酷な旅でした。

「グレートジャーニー」と呼ばれる旅を人類が生き抜いたのは、単独行動のネアンデルタール人にはない「協力する心」があったからというのが興味を惹きました。
ただ、その後全世界に人類が広がり、もう進出する余地が無くなってしまった時代には、人間同士が矢で争う壁画が出土しているというオチ?もありましたが・・。
無益な争いをするくらいなら食肉消費量を減らした方がいい、というのが博士の深意かも知れません。あるいは、人口が100億人となる2050年には、地球から宇宙に旅立つ「スペースジャーニー」を真剣に考えなければならないようです。。。

地震の不安を失くすためには、いっそのこと宇宙生活でも出来きるようになれば・・・。?

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