先日、昭和20年8月10日から15日の間、
世界がどう動いたかを特集するテレビ番組を見ました。
大東亜戦争の終結を目前にし、情報が錯綜する様子が
見事に描かれていました。
一般的に、終戦の日は玉音放送が流れた8月15日ですが、
世界は8月10日に日本の降伏を知り、動き始めていたのです。
本土決戦を避けるため、鈴木貫太郎首相が短波ラジオで
ポツダム宣言受諾を発信したからなのです。
つまり、日本人だけ情報から取り残されていたことになります。
この短波放送を受信したアメリカはすぐに動き、
ソ連との覇権争いで優位に立つべく
「占領政策はマッカーサーが統括する」と宣言しています。
ドイツの占領政策でスターリンに東ドイツを取られた
トルーマン大統領が先手を打ち、巻返しを図りました。
同じ頃、ベトナムではホーチミンが、インドネシアではスハルトが、
そして、中国では毛沢東と蒋介石が誰よりも早く情報を入手し、
独立に向けて動き始めていました。
80年弱経った今でも、この教訓は十分生かせます。
いかなる状況下でもいち早く情報を入手し、分析し、行動するのです。
例えば、食品業界ではライバルメーカーどうしが
同じような新商品を前後して発売する場合が多いのですが、
先行を許した2番手は必死で情報を集めます。
ライバルの新商品を入手し、分析し、追随商品を開発するわけです。
この間、最短で1ヶ月。仮に特許が絡んだ商品でも、
申請した特許が公開されるまでに1年半、正式に登録されるとなると
5、6年後となるので、商品寿命を考えれば十分間隙を縫えます。
情報収集の成果かもしれませんが、追随した2番手メーカーの方が
美味しい場合がけっこうありますし、シェアと品質の相関もあまりありません。
情報戦争のあと、低価格戦争と販促戦争を勝ち抜いた
2番手商品の動向を、注目したいものですね。
8月15日が近づくたびに思うことなのです。