あんなこと こんなこと 京からの独り言

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再来に期待

2017年08月06日 | うんちく・小ネタ



あるアーカイブスで、1980年放送の「若い広場 原宿24時間」というドキュメンタリー番組を見ました。
原色の法被風ガウンとハーレムパンツ(アラビアンナイトに出てくるダボダボパンツ)を身にまとい、ディスコ音楽にあわせて踊る「竹の子族」にスポットを当てた内容で、自由に自己表現できる場を求めて全国から原宿の歩行者天国にやってきた若者たちが主人公でした。




竹の子族を知っている世代なので、懐かしく当時にタイムスリップできると期待して観たのですが、実際は違和感だらけ。
40年足らずでこんなにも変わってしまうものなんですね。当時はこれがカッコよかったのかと思うと、何だか不思議な感慨におそわれました。



違和感その1.
女子がみんな見事に全員ぽっちゃり顔。ヤンキーもぽっちゃり、家出少女もぽっちゃり。
平成の癒し系でもここまでぽっちゃり顔はいません。
これにはデータの裏付けがあるのです。2015年の国民栄養調査を1980年のデータと比較すると、15~19歳女性の肥満率が10.3%から3.4%に激減しているのです(現在の肥満率定義はBMI値25以上ですが、1980年当時は皮下脂肪厚5センチ以上でした)。

 

違和感その2.
みんな素直。とにかくみんなまじめにインタビューに答えていました。
リーゼントのロックンローラーが「山形の田舎さ帰って百姓すっから今日で引退だぜ」と語るシーンは圧巻。
当時はそれなりに恐かったツッパリたちですが、今見るとかなりかわいい。

 

違和感その3.
バリバリ。当時の流行語だったそうです。「流行語大賞」が始まったのは1984年ですから、世間への浸透率は定かではありませんが、とにかく若者は多用していました。
「バリバリかっこいい」「バリバリ最高」。
そう言われるとその頃、周囲の人も使っていたような…。




竹の子族は「ブティック竹の子」で売られている服を着て踊ったことから付いた名前ですが、由来どころか、存在した記憶自体が風前のともしび。

戦争を経験した世代がいなくなると再び戦争が始まるといいますが、竹の子族もそうなのでしょうか。
平成の竹の子族登場にバリバリ期待してしまうこの頃です。