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おぼろ夜に思う大陸

2016年12月19日 | うんちく・小ネタ




高校に入学したばかりの頃、地理の授業の中で「ヴェーゲナーの大陸移動説」だけは楽しく聞き入っていたような気がします。
世界地図のアフリカ東海岸と南米西海岸をつなげて、「なるほど」と。


「朧夜のベッド大陸移動説」 仲 寒蟬

地球は中心核が高温、表層は低温だから中心と表層の間のマントルで熱対流が生じ、このマントル対流によって地球表層を構成するプレートが移動。
仲 寒蟬先生の作品は、数億年のスケールを朧夜のベッドに落とし込んだ名句です。
先生は寝相が悪かったのかな。



ところで、このままマントル対流が続いたとして、現在の6大陸はどうなるのか。
海洋研究開発機構の吉田博士は、表層プレートとマントルの動きをスーパーコンピューターで数値シミュレーションし、2億5000万年後に北米大陸とユーラシア大陸などが合わさった巨大な「超大陸アメイジア」が形成されると発表しました。(アメイジアとはアメリカとアジアを合わせた造語)



10万年刻みのシミュレーションによると、ユーラシア大陸は北半球にとどまり続け、南米と南極大陸もあまり動かない。
一方、オーストラリア大陸はインドネシアの島々とともに速いペースで北上して日本列島に近づき、ハワイ諸島も太平洋プレートに乗って日本に接近。
1億5000万年後には、日本列島はユーラシア大陸とオーストラリア大陸に挟まれ、ハワイともくっつく。
そして、2億5000万年後には北米大陸の北東部が北極海を横断してシベリアと接し、超大陸アメイジアとなるのだそうです。

またまた地理の授業がおもしろくなりそうですね。





「短夜や大陸少しずつ動く」 桐木知実

桐木さんは高校3年生で、掲出句は第19回俳句甲子園全国大会の優秀作品。
いつの時代も大陸移動説はロマンを掻き立て、一夜の思いに結実するのかもしれません。