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懐かしきボウリングブーム

2024年06月15日 | うんちく・小ネタ


接待で豆腐料理の専門店「とうふ屋うかい」を利用したことがあります。
場所は東京タワーのすぐそば。



ここに2000坪の広大な日本庭園を構え、山形の造り酒屋や
新潟の豪農屋敷を移築して異空間を演出しています。
東京のど真ん中で和の真髄が堪能できるということで、
53室ある個室のあちこちから外国人の声が聞こえていました。
会食の席で敷地の広さが話題になり、年配の仲居さんに来歴を尋ねました。




「もともとは東京タワーボウルっていう都内最大級のボウリング場でした。
64レーンもあって、昭和38年のブームの頃には東洋一とかって言われてたんですよ」



「昭和38年にボウリングブーム?」



当時のボウリング場はどこも満員で正月休みの予約が11月末で満杯。
賭け試合や高額な景品、未成年者の深夜入場など、風紀の乱れが社会問題にもなったとか。
我々が知るブームは昭和46年頃で、実際にボウリング場に行き始めたのは中学坊主の頃。
まだスコアが手書きの時代でしたから、点数計算できることが男子の必須条件でした。




こんな思い出話に酒量も進み、いつの間にかテーブルには徳利が林立。
酩酊の果てに、それがボウリングのピンに見えてきましたが、
あながち的外れな幻影ではありません。



日本初のボウリング場が青山に出現した翌年の昭和28年。
ある雑誌に掲載されたボウリングを説明する記事に、似たようなくだりがありました。


   「白い徳利みたいなものを向こう側に並べ、こちらから西瓜ほどの
                      プラスチック製ボールを転がして倒す遊び」


デザートに西瓜をオーダーしたくなった夜でした。