Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

ロッシーニ序曲集/アバド&ヨーロッパ室内管

2005年05月15日 20時41分27秒 | クラシック(一般)
 しつこく続くロッシーニ序曲集(笑)。今回はアバドが89年にヨーロッパ室内管を振ったもので、5月1日に書いたロンドン響が70年代前半の録音でしたから、おおよそ20年ぶりの再録ということになります。ヨーロッパ室内管はアバドが育てたECユース・オーケストラが発展したオーケストラだそうでですから、いわば手兵なんでしょう。とても息のあった演奏を繰り広げています。おそらく、前回のロンドン響との演奏より良いのではないでしょうか。

 もっとも、基本的な表情やテンポなどは前回とほぼ同様です。シャープなリズムと清潔なフレージングで、非常にクリアでスポーティーに演奏されたロッシーニという印象はほとんどかわりません。ただ、今回はもう少し角がとれているというか、全体に自然な演奏になっているのが、前回とは違う点でしょう。
 なにしろ、前回の録音はロッシーニにしてはやや厳し過ぎというか、ストイック過ぎて、ロッシーニ的な愉悦感がどこかにいってしまったようなところがあって、「もう少し手綱を緩めてもいいんじゃないの?」など不遜にも思ったりした訳ですけど、今回はアバドの年齢を重ねたせいなのかどうか、節々の表情もいくらか和らぎ、緩急もごくごく自然な流れの中で表現されているのが良いですね。おそらく、こういうのを円熟というんでしょう。

 ちなみに録音は、前回のマルチ・マイク的なオンな録音からすると、こちらは弱音から最強後までのレンジも広くとり ホール・トーンをふんだんにとりいれた、ちょうど観客席のかなり前の方で聴くみたいな、自然な録音パターンになっています。この手の録音はここ十数年ですっかり一般化したというか、復活しましたけれど、前述のとおり、この演奏がとても自然に聴こえるのは、ひっょとして解釈とかオケの音色とかそういったところより、むしろ録音の仕方によるものが大はないか?という気もしないでもありません。この録音パターンで前回のロンドン響を録音したら、いったいどういう風に聴こえるのか....聴きながら、ふと考えてまいました(笑)。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジョン・ウィリアムス&ボス... | トップ | FF-XI <戦 L10> »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

クラシック(一般)」カテゴリの最新記事