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ブラームス 交響曲第2番(ピアノ連弾版) 他/マティーズ&ケーン

2008年11月02日 14時34分52秒 | ブラームス
 約一年ぶり、マティーズ&ケーンによるブラームスのピアノ連弾版作品集の一枚。このアルバムには交響曲第2番と第3番が収録されている。とりあえず今2番の方を聴いているところである。昨年の調度今頃に封を切った同シリーズの交響曲第1番の方は、さすがにあの威容を誇る大曲をピアノにトランスクリプション(しかも2台4手じゃなくて1台で連弾)すること自体の限界を感じさせたりもしたけれど、この2曲はもともと曲の性格としてブラームスの交響曲の中では叙情の方が勝っている....というか、いや違うな、もっぱらそっちに焦点を当てた演奏をしたとしても、とりあえず破綻しない楽曲とでもいったいいか。とにかく素直に楽しめる。

 第2番は冒頭からごくごく普通のピアノ曲として楽しめる。そもそも2番はオーケストレーション自体が一筆書きみたいなあっさりとしたところがあるせいだろう、ピアノ連弾でも、聴いていて特に不足感のようなものはあまり感じることなく(全く感じないといった嘘になるが)、調度同じ頃、つまりブラームス中期のピアノ作品「2つのラプソディー」とか「8つの小品」あたりに横溢する「満ち足りているんだけど、ちょいすきま風が吹いている....」みたいな、ブラームス的風情をもったピアノ曲で聴けるといったところだろうか。正直いうとブラームスの2番については、もうオーケストラ版はいささか耳タコみたいなところがあるので、こういうシンプルな、まるで独白のような風情(その割にしつこいけど-笑)の演奏の方がよほど新鮮に聴こえたりする。第二楽章のちょっとシューマンみたいな暗い叙情についても、その性格故になんの違和感もない。

 第三楽章もおもしろい。交響曲第2番というどちらかといえばなだらかの起伏に全編が染まった曲の中で、この第三楽章はリズムのおもしろさ、ちょっと突き抜けたような明るさという点で異彩を放っている楽章だけれど、主部とトリオの対比だとか、ポリリズム風な処理だとか、調度「ヘンデル・ヴァリエーション」みたいな起伏でもって処理しているようで、オーケストラで演奏するような色彩感は当然ないけれど、十分に楽しんで聴ける。最終楽章は重厚なオケが猪突猛進で駆け抜けていくような曲だから、全曲中では一番聴き劣りしてしまうが、マティーズとケーンはかなり熱っぽいテンションで演奏して、量感がない分シャープさでカバーといった感じだ。という訳で、なかなか楽しめる演奏だ、これはWalkman行き決定!。

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