昨夜取り上げた3番に続く作品で、3番からおおよそ10年後の1936年に作曲されている作品らしい。1936年といえば迫り来るナチズムの迫害から逃れてシェーンベルクはすでにロスアンジェルスに移住していた訳だけれど、アメリカに移り住んだせいなのか、どうかはわからないけれど、この4番は3番に比べれば、かなり分かりやすい作品だと思う。もちろん12音という手法で作られた音楽だから、分かりやすいなどといってもたかがしれたものだが(笑)、こちらは随所に調性的で耳に残るモチーフだのが散りばめられており、一度始まってしまえば、あとはひたすら灰色....というイメージの12音音楽にしては、かなりとっかかりがあるのである(そういえば本作に隣接した室内交響曲第2番もかなりわかりやすい作品だったような記憶がある)。
例えば、第1楽章冒頭のものものしい風情の主題。第2楽章のなにやらマッドサイエンシストの研究室みたいな奇妙な冷徹さ、第3楽章の冒頭は一瞬、「これ調性音楽?」と思わせる、なにやら室内交響曲の頃に戻ったようなロマンティックなムード、逆に第4楽章は非常にアブストラトな音響中心....という感じでとにかく楽章毎にメリハリがあって聴きやすいのである。もっとも、その分3番にあったような、厳格なまでに古典的な楽章構成にのっとり、モダンな響きをまとってはいるが、実は古めかしい弦楽四重奏曲という感じもない。組曲とかそういう感じである。また、3番には全編に渡って感じられたロマン派的情緒も、第3楽章だけは濃厚にあるが、他の楽章はむしろ当時のストラヴィンスキーなんかとも共通するようなシニカルで乾いた響きに満ちている印象なのである。
例えば、第1楽章冒頭のものものしい風情の主題。第2楽章のなにやらマッドサイエンシストの研究室みたいな奇妙な冷徹さ、第3楽章の冒頭は一瞬、「これ調性音楽?」と思わせる、なにやら室内交響曲の頃に戻ったようなロマンティックなムード、逆に第4楽章は非常にアブストラトな音響中心....という感じでとにかく楽章毎にメリハリがあって聴きやすいのである。もっとも、その分3番にあったような、厳格なまでに古典的な楽章構成にのっとり、モダンな響きをまとってはいるが、実は古めかしい弦楽四重奏曲という感じもない。組曲とかそういう感じである。また、3番には全編に渡って感じられたロマン派的情緒も、第3楽章だけは濃厚にあるが、他の楽章はむしろ当時のストラヴィンスキーなんかとも共通するようなシニカルで乾いた響きに満ちている印象なのである。
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