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サンタナ/不死蝶

2006年01月05日 22時43分56秒 | ROCK-POP
 74年発表の第9作です。音楽面でほぼ前作「ウェルカム」の延長線上といってもよく、バンドはますますプロジェクト化が進み(というかほぼ崩壊寸前だったようですが.....)、前作同様フローラ・ブリムをゲストに迎えた他、他にスタンリー・クラークやアイアート・モレイラも参加していることからも分かるとおり、RTF的エレピ・サウンドを中心としたフュージョン路線を推し進めた仕上がりになっています。

 また、ヴォーカルをフィーチャーされた作品も多くなり、ポップさが濃くなった分、前作までのスケール感はやや後退しているあたりも、良きにつけ悪しきにつけこのアルバムの特徴となっていると思います。後、アルバム全編に渡ってシンコペしまくったフュージョン風なリズムが支配しています。当時AORなどという言葉がない時代に、こうしたリズム・パターンでロックをやっていた訳ですから、当時のファンにはかなり違和感あったことは想像に難くありません。その分、現在聴いても古くさくないのはさすがですが。

 収録曲では、例によってアルバム冒頭「春の訪れ」~「花の歌」のメドレーが、アフリカ系の空間サウンドですが、エレピを中心としたこじまんりとしたサウンドと茫洋とした響きはなにげRTFを思い起こさせるものです。「新たなる旅立ち」「果てしなき世界」「太陽のもとへ」はいずれも前作「ウェルカム」に収録されていたヴォーカル作品と同様な、フュージョン色が強い軽快なポップ作品、つまりAORに先んじたような仕上がりで、個人的にはとても好みな音楽なのですが、あまりサンタナのギターが聴こえてこないのが玉に瑕かもしれません。A面ラストの「熱望」は「キャラバンサライ」以降のサンタナの典型的インスト作品。

 旧B面に移るとゴスペル風なヴォーカル作品「君の教え」からスタートし、続く「はかない夢」もヴォーカルをフィーチャーしたアメリカン・ロック風な作品。残る4曲は前記RTF関連メンバー+サックスをゲストに従えたインスト作品で、当然ジャズ・フュージョン色が強い演奏となってます。「ウェルカム」でもB面後半はマクラフリンをゲストに迎えた割と求道的なジャズ・ロック作品でしたけれど、これもそのパターンと思われます。ハイライトはこのインスト・メドレー2曲目「シナモンの花」から次の「漁民の契」あたりにかけての展開ですかね。これはラテン的熱狂と奇妙なゆったり感が不思議に調和したこの時期サンタナ特有の世界と申せましょう。

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