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ニュー・イヤー・コンサート1983/マゼール&VPO

2006年01月06日 00時05分12秒 | クラシック(一般)
 ぐっと古くなって83年のニュー・イヤー・コンサートのライブ盤です。マゼールがボスコフスキーの後を受けて80年から86年までこのコンサートを振っていますが、これらのステージが全てライブ盤になっていたのかどうか私は知りませんが、私が80年代の後半に入手できたマゼールのニュー・イヤーのライブは、とにもかくにもこれだけでした(この後80年から83年までのベスト盤が出ましたが)。アルバムの体裁も、現在のようなオーラスを「美しく青き」~「ラデツキー」で締めくくるようないかにもコンサート全体の雰囲気を再現するようなものではなく、割とレギュラー・アルバムに近いようなものになっています。

 さて、何故今回このアルバムを取り上げたのかというと、ここには喜歌劇「ベネチアの一夜」序曲、喜歌劇「インディゴと40人の盗賊」という、割と僕の好きな曲が入っているからです。ヨハン・シュトラウスといえば第一にワルツということになるかと思いますが、彼が作ったオペレッタの序曲も劇場的な華やかさ+ウィーン情緒に満ち満ちていて、問答無用の名曲である「こうもり」や「ジプシー男爵」の序曲など実はワルツ以上に愛好していたりする訳ですけど、この2曲ほどではないにしても「ベネチアの一夜」や「インディゴと40人の盗賊」、あとここには入っていませんけど、「くるまば草」なんかも好きで、毎年今ぐらい時期にお屠蘇気分で聴いたりする訳です。

 特に「ベネチアの一夜」はほぼパターンとして「こうもり」的な華やいだ雰囲気があっていいです。中間部で聴けるワルツ以降のもうウィーン的としかいいようがない、あのクリームみたいなとろけるような甘く陶酔的な旋律(ちょっとマーラーを思わせる)にうっとりするし、後半から終盤にかけてたたみかけるように展開するいかにも、劇場の幕開き的な雰囲気も楽しくて、とにかく好き。「インディゴと40人の盗賊」の方はロッシーニの「どろぼうかささぎ」みたいにユーモラスにじわじわ盛り上がる構成もおもしろいし、こういう曲を聴くとやっぱシュトラウスの序曲って楽しいなぁと思います。実はシュトラウスはこれ以外にもオペレッタを沢山書いているので、序曲もまだまだあるはずなのですが、私は聴いてことがないんですよね。「騎士パスマン」、「メトゥザレムの王子」とかいつか聴いてみたいものです。

 ちなみにこのアルバム、序曲以外だと、ワルツ「ウィーンのボンボン」という曲が入っていて、あまり有名な曲ではないかもしれないけれど夢見るみような序奏がロマンティックで好きな曲です。マゼールの指揮は50~60年代の血気盛んな若武者ぶりが嘘のようなスタイリッシュな指揮ぶりですが、とにかくあまり他の人がやらない曲なら、むしろ資料的にもこういう演奏の方がよいのではないでしょうか。彼は最近でも定期的にこのコンサートに登場しますが、今回取り上げた3曲も是非再演してもらいたいものです。今の彼ならもっと老獪でコクのある演奏をするでしょうから。

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