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JERRY GOLDSMITH / Alien - complete score - Disc.1

2009年09月21日 18時33分41秒 | サウンドトラック
 本完全盤の目玉であるディスク1。従来出ていたサントラ盤は、おそらく厳密にはサントラではなく、サントラ収録とほぼ同時に収録されたアルバム用の別演奏だったので(だったのだろうと思う)、実はこれが正真正銘のサントラということになる。収録曲は全部で30曲、最初の23曲が当初ゴールドスミスがフィルムにつけた演奏で、残り7曲がリドリー・スコットの要請を受けて新たに書き直した音楽となる。ライナーには詳しい解説があるのだが、分かりそうなとこだけでも読みつつ聴くと、元々ゴールドスミスが作った音楽が、どのように取捨選択されたか、ひるがえってスコットとゴールドスミスがどう対立したのがまで分かりそうで実に興味深い。

 一応、ざっくりと整理してみると下記のリストような感じになるだろうか。いやはや、元々ゴールドスミスが映画用に演奏された23曲中、実に11曲が不採用である。そこにはメインタイトルやエンドタイトル、冷凍睡眠、フェイスハガーといった音楽含まれているから、もうほとんど半分以上、いや、主たる部分は「使い物にならない」といわれたようなものだ。映画音楽の現場がどうなっているのか、私にはさっぱり分からないけれど、たいていこんな風に差し替えが頻繁に行われたりするものなのだろうか(だとすると映画音楽家というのは大変な仕事である)。いずれにしても、従来のサントラ盤を聴く限り、ゴールドスミスが元々フィルム用に作った音楽は、それ自体とても優れたものであったから、彼がこの結果に激怒したのも無理はないと思う。

 さて、ひととおりこのディスクを聴いてみて感じたのは、アッシュのワークステーションで流れたらしい「The Lab」、猫を探しにいく場面の「Cat Nip」「Here Kitty」、パーカーが死ぬ場面「Parker's Death」などなど、「えっ、こんな音楽鳴っていたっけな」という曲が実に多い。それぞれの曲が部分的にしか使用されていなかったり、元々音響的な音楽が多いことに加えて、この作品の場合、音楽が本物の音響にマスキングされて、いや、絶妙にブレンドされてというべきなのか、とにかくあまり目立って聴こえないせいもあるだろうが、それにしてもそういう部分が非常に多いのは驚いた。こうなると再び映画の方を観て、きっちりと検証したくなったりしてしまう。そういえば、ディスク2とこちらのディスクに収録された、同じ場面の音楽はどう違うのか?などというのも気になるし、検証すればするだけ、このアルバムおもしろそうだ。



01. Main Title → (差し替え) → 24. Main Title
02. Hyper Sleep → (差し替え) → 25. Hyper Sleep
03. The Landing
04. The Terrain → (追加) → 26. The Terrain
05. The Craft
06. The Passage
07. The Skeleton
08. A New Face → (未使用)
09. Hanging On → (差し替え) → 28. Hanging On
10. The Lab
11. Drop Out → (未使用)
12. Nothing To Say
13. Cat Nip
14. Here Kitty
15. The Shaft → (未使用)
16. It's A Droid
17. Parker's Death
18. The Eggs → (未使用)
19. Sleepy Alien
20. To Sleep
21. The Cupboard → (差し替え) → 29. The Cupboard
22. Out The Door → (差し替え) → 30. Out The Door
23. End Title → (差し替え) → ハンソン交響曲第2番第1楽章コーダ

27. The Skeleton(未使用)

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