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JAMES HORNER / Aliens

2010年02月14日 18時38分05秒 | サウンドトラック
 半年ほど前に、DVDのエイリアン・ボックスを購入し、メイキング映像も含め全4作を全て観た時に前後して購入したもの。「エイリアン」シリーズの音楽は、映画本編と同様、なんといっても第一作目、音楽でいったらジェリー・ゴールドスミスのもののインパクトが強かったため、こちらはそれほど印象に残っていない。映画の方は既にもう何回も観ているが、相変わらずその印象はそのままである。ジェームス・ホーナーという人は、それほど強烈な個性がある訳ではないが、アメリカ的なオプティミズムに支えられた、シンフォニックなスコアを書くところが美点といえるけれど(ジャズ風なスコアについては知らず)、この作品ではいつもの躍動感とか明快さがちと感じられないムキもあるのである。
 おそらくその理由のひとつは、時間が足りなかったということなのだろう。「エイリアン2」のところで書いたけれど、「製作のタイムリミットが迫っている状況で、結果的に最後の作られる音楽に当てられる時間がどんどん短くなってしまい、やがてブチ切れてしまう」というプロセスがあったため、とにかくそれらしい映像につけることが最優先になったしまったということが、大きく災いしてしまった原因のひとつと思われる。しかも、それがシンセを使ったものならまだなんとかなったろうが、本作はロンドン・シンフォニーを迎えてのオーケストラ物だったということも、さらにプレッシャーとなったことであろう。

 このアルバムはサントラ専業メーカーのヴァレーズ・サラバンデから、多数のボーナス・トラック付きのデラックス・エディションとしてリイシューされたもので、CDに収録時間一杯までボツテイクなども収録されている。で、こうして音楽部分のみを聴いてみると、けっこうゴールドスミスが作った1作目の音楽を踏襲していて、「エイリアン」らしくさがふんだんに感じられる、かなり重厚な仕上がり(ダークさは今一歩だが)の音楽であったことを再認識した。
 1曲目の「Main Title」や10曲目の「Sub-Level 3」などは、閉塞状況で迫り来るエイリアンの恐怖のようなものをよく表現しているし、11曲目の「Ripley's Rescue」や13曲目「Futile Escape」は、モダンなミリタリー調のサウンド、こちらはホーナーらしい躍動感を感じさせる明快な音楽(これは昔から印象に残っていた)になっている。また、ボーナス・トラックには「Ripley's Rescue」のパーカスのみのヴァージョンが収められていて、これがなかなかおもしろい。ブラスが咆哮するオリジナルもいいが、「エイリアン」シリーズらしいトーンからすれば、こちらを使っても悪くなかったと思う。更にエンディングの「Hyperspace」の別ヴァージョンも入っていて、基本それほど変わっていない印象だが、もう少し暗いトーンに終始していて、最後にはショッキングなオーケストラ・ヒットが2回入っているのも何だろう。当初のラッシュでは、次に3作目に繋げる場面でも入っていたのだろうか?。

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