ジェフ・ベックを聴いたところでハタと思い出してきいているのが、もうひとりのベックと名がつく私が好きなギタリスト、ジョー・ベックである。ジェフの方が先の映像でもはや時間の止まったかのような現役ぶりを開陳していたのに比べ、ジョー・ベックの方は半年前くらい前に訃報が世界中をかけめぐった。つまり亡くなってしまったのである。その時も何か書こうと思っていたのだけれど、あれやこれで書く機会を逸していて、あれから半年後、久々にゆったりとした週末な今、ちょいと前にiTunesで作ったジョー・ベックのプレイリストを今聴いてるところなので、遅すぎた追悼としてこのプレイリストについて書いてみたい。
ジョー・ベックは、一般的にはマイルスが最初に雇ったエレクトリック・ギタリストとして有名だし、恐らく同傾向のミュージシャンの間でもかなり高い評価を得た人だと思うのだけれど、不幸なことに「ジョー・ベックといったら、この一作」みたいな代表作がないのだ。せいぜい70年代の作ったKudoの諸作とかがかろうじて知られている作品かもしれないが、これだって大して有名な訳ではない。おそらくこれらの作品によって、彼は「ラリー・コリエルよりもう少しオーセンティックなフュージョン・ギタリスト」みたいに位置づけられていたように予想しているのだけど、そんな彼が80年代中盤から約半ダースに及ぶアルバムをリリースしたDMPレーベルでの作品群は、フュージョン・ギタリストとしてのジョー・ベックとは少しばかり....いや、かなり違う彼の姿が刻印されている。
長くなるので結論だけいうと、DMP時代の彼の作品はフュージョン風なギタリストからではなく、もっと伝統的でオーソドックスなジャズ・ギタリストとしてのジョー・ベックがよく出ていて、私はこういうジョー・ベックが大好きだった。83年の「Relaxin'」はそういうジョー・ベックを最初に見せた作品であり、84年の「Friends」では、逆にこれまでのフュージョン路線を総決算してみせた作品だったが、その後一作おいて90年の「The Journey」では、本格的にバーニー・ケッセルやケニー・バレルだのの伝統にのっとったオーセンティックなギタリストに脱皮して、重厚な風格を漂わせ始めた作品だったと思う。
このプレイリストはこのDMP時代の三作から作ったもので、あくまでも個人的には....だが、ジョー・ベックの「ミッドナイト・ギター」という感じで構成した。調度今夜みたいにゆったりとした深夜に聴くには調度いい感じである。ジョー・ベックはその後、日本のヴィーナス・レーベルで、こうした路線の作品を3作残すことになるが、あれこれヴァリエーションを広げたのは彼の器用さ故だったのだろうが、できることならば「夜のストレンジャー」のような正統派の作品をもう1枚くらいは聴いてみたかったと思う。遅くなったが、彼の冥福を祈りたい。
01 Isn't She Lovely (Relaxin' -`83)
02 Belle Touche (Friends -`84)
03 There's Always Time (Friends -`84)
04 Killer Joe (The Journey -`90)
05 Zanzibar (The Journey -`90)
06 Quidado (The Journey -`90)
07 Body & Soul (The Journey -`90)
08 Secret Love (Relaxin' -`83)
09 Skating In Central Park (Friends -`84)
10 Golf Swing (Friends -`84)
ジョー・ベックは、一般的にはマイルスが最初に雇ったエレクトリック・ギタリストとして有名だし、恐らく同傾向のミュージシャンの間でもかなり高い評価を得た人だと思うのだけれど、不幸なことに「ジョー・ベックといったら、この一作」みたいな代表作がないのだ。せいぜい70年代の作ったKudoの諸作とかがかろうじて知られている作品かもしれないが、これだって大して有名な訳ではない。おそらくこれらの作品によって、彼は「ラリー・コリエルよりもう少しオーセンティックなフュージョン・ギタリスト」みたいに位置づけられていたように予想しているのだけど、そんな彼が80年代中盤から約半ダースに及ぶアルバムをリリースしたDMPレーベルでの作品群は、フュージョン・ギタリストとしてのジョー・ベックとは少しばかり....いや、かなり違う彼の姿が刻印されている。
長くなるので結論だけいうと、DMP時代の彼の作品はフュージョン風なギタリストからではなく、もっと伝統的でオーソドックスなジャズ・ギタリストとしてのジョー・ベックがよく出ていて、私はこういうジョー・ベックが大好きだった。83年の「Relaxin'」はそういうジョー・ベックを最初に見せた作品であり、84年の「Friends」では、逆にこれまでのフュージョン路線を総決算してみせた作品だったが、その後一作おいて90年の「The Journey」では、本格的にバーニー・ケッセルやケニー・バレルだのの伝統にのっとったオーセンティックなギタリストに脱皮して、重厚な風格を漂わせ始めた作品だったと思う。
このプレイリストはこのDMP時代の三作から作ったもので、あくまでも個人的には....だが、ジョー・ベックの「ミッドナイト・ギター」という感じで構成した。調度今夜みたいにゆったりとした深夜に聴くには調度いい感じである。ジョー・ベックはその後、日本のヴィーナス・レーベルで、こうした路線の作品を3作残すことになるが、あれこれヴァリエーションを広げたのは彼の器用さ故だったのだろうが、できることならば「夜のストレンジャー」のような正統派の作品をもう1枚くらいは聴いてみたかったと思う。遅くなったが、彼の冥福を祈りたい。
01 Isn't She Lovely (Relaxin' -`83)
02 Belle Touche (Friends -`84)
03 There's Always Time (Friends -`84)
04 Killer Joe (The Journey -`90)
05 Zanzibar (The Journey -`90)
06 Quidado (The Journey -`90)
07 Body & Soul (The Journey -`90)
08 Secret Love (Relaxin' -`83)
09 Skating In Central Park (Friends -`84)
10 Golf Swing (Friends -`84)
ジョー・ベック懐かしいです。
初めて聞いたのは、エスター・フィリップスのアルバムでした。
何処かの店で聴いて、すぐ買いに走ったのを覚えています。当然廃盤品でしたが。
独特なフィーリングのギターが新鮮でした。
エスター・フィリップスとのアルバムは聴いたことがありません。確かKudo期の作品ですよね。この時期のベックは少し聴いただけですが、彼の生涯を通じて、一番とんがっていたというか、ある意味ロック的だったように思います。
その後彼はどんどん先祖返りというか保守化して、晩年は非常にオーソドックスなジャズ・ギタリストになっていっていきましたが、私はその時期に彼を知ったので、さかのぼって聴いたKudo期の作品は逆に新鮮でした。エスター・フィリップスですか、おもしろそうですね。今度購入してます。コメントありがとうございました。