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ハイドン 交響曲 第45番『告別』/フィッシャー&オーストリア・ハンガリー・ハイドンPO

2010年01月11日 16時48分16秒 | ハイドン
 先の「悲しみ」が良かったので、調子にのってこちらも聴いてみました。交響曲第45番「告別」....とても有名な作品です。シュトゥルム・ウント・ドラング期の交響曲群の中ではもっとも知名度が高く、また演奏会や録音が多い作品という気がします。この時期の作品らしく調号は嬰ヘ短調で、第1楽章は冒頭からかなり物々しく荒々しいパッションが印象的で、弦のユニゾンを含む細かい動きが非常にダイナミックです。妙に孤立した印象の第2主題はのどかな感じですが、それも長く続かず展開部では再び第1主題の荒々しいダイナミズムが戻ってきます。第2楽章は長調のようで、平静でゆったりした音楽でもって進んでいきますが、音楽がとまりそうになったところで陰影のある短調のパートが登場、楽章はこれを何度か繰り返しでもって、徐々に音楽の深度を増していくという格好になっています。確かに中間部以降の瞑想的な音楽は初期ロマン派の緩徐楽章を先取りしたような微妙な色合いがあり、味わい深いものがありますね。

 第3楽章は穏やかなメヌエットで、前にも書きましたけれど、この時期になってくると、農民の舞曲をベースにしたメヌエットという音楽形態も、音楽的にかなり芸術品として格調高さと味わい深さが感じられるように思います。この楽章ではトリオで登場する牧歌的なホルンがいい雰囲気を出しています。第4楽章は嬰ヘ短調へと回帰して、第1楽章同様激しい音楽へが展開されます。この楽章は長大なおまけがつくことをこちらが知っているので、この山あり谷ありという感じの展開部は、ややもって回った感がなくもないですが、いずれにしても再現部が終えると、例の有名な部分になります。演奏者がひとりずつ演奏をやめ、最後にヴァイオリン奏者2名が残るという例の趣向です。純粋に4楽章の交響曲としてのプロポーションを考えると、短調でまとめられたこの交響曲にとって、このパートは蛇足以外の何者でもないという感じはしますが、この曲のメルクマールとして絶大な印象を残すのも確か。あまり固いことをいわずにこの長大なコーダをニタニタしながら楽しみたいですね。

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