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ハイドン 交響曲 第47番『パリンドローム』/フィッシャー&オーストリア・ハンガリー・ハイドンPO

2010年03月20日 13時18分27秒 | ハイドン
 この47番もシュトルム・ウント・ドランク期の作品のようです。ただし、この時期特有な短調の音楽ではなく、長調で作られたハイドン的なスタンダードが感じられる曲となっています。第一楽章は青空みたいな広がりと明るさをもった音楽ですが、時に音が跳躍してドラマチックな展開となったり、特徴的なやや鋭いリズムのモチーフが登場して、ややせわしないく、全体に緊張感が高い音楽になっているのは、たぶんシュトルム・ウント・ドランク期故の特徴なのでしょう。
 第二楽章は変奏曲のようです。鄙びいてどこかのどかなテーマをあれこれ料理しているようですが、どちらかというとテーマを延々とリフレインしている感じで、感触としては普通の緩徐楽章ですね。まぁ、未だ時代的には「性格変奏」という時期ではないですし、ハイドンはそれほど変奏曲を愛好していなかったようですから、それほど、技巧の粋を凝らしして、きっちりかっちりした仕上げたという感じまではしません。後半、リズム的にいろいろ変えて変奏していき、短調に転じるあたりはおもしろいですが。

 第三楽章は2分ちょいで終わるごく短いメヌエットで、トリオでは隠し味的なホルンがいいアクセントを出していたり、少し厳かなところがあったりして、まぁそういうところが特徴といえば特徴といえなくもないですが、全体としてはいたっていつものハイドンという感じの音楽です。最終楽章は第一楽章同様、唐突に音が跳躍したり、大きめな強弱のメリハリ、鋭角的なリズムなどなど、かなりせっかちなところがある音楽になっています。展開部は終わりそうで終わらないクドクドした感じがあり、これなどベートーベンとかブラームス的なくどさの予告みたいな趣きも感じられます。
 ちなみにニックネームは「パリンドローム」。パリンドロームというは回文、つまり「たけやぶやけた」とか「山本山」みたいな言葉遊びの意味らしいですが、それがこの曲にどう結びついたのか、ネットでいろいろ調べてみましたが、結局よく分かりませんでした。おそらく、どこかの楽章に音前から読んでも、後ろから読んでも同じ音型とかが出てくるのでしよう。ネットでの解説を読むと、「3楽章はメヌエット、トリオともに前半と後半が鏡像になり」なんてフレーズを見かけますから、そのあたりが由来なのかもしれません。

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