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ハイドン 交響曲第48番『マリア・テレジア』/フィッシャー&オーストリア・ハンガリー・ハイドンPO

2010年06月28日 22時07分05秒 | ハイドン
 このところ続いているシュトルム・ウント・ドランク期の作品の中でも、本作は「告別」あたりと並んで、かなり有名な方を作品ではないかと思います(ちなみに短調ではなく長調で作られています)。王妃マリア・テレジアがエステルハージに訪れた時の演奏されたということで、このニックネームがついたようですが、なるほど標題に相応しい華やいだ宮廷的な響きやムードが随所に現れるせいで、かなり印象深い作品になっています。

 第1楽章は金管のファンァーレ風な開幕があり、いかにも宮廷風に格調高く、雅やかな雰囲気が冒頭から感じられます。この曲、実際にはマリア・テレジアとは何の関係という説もあるようですが、そういうキーワードに結びつけたくなるような音楽ではありますね。本編の方は交響曲第1番の第1楽章を思わせるような音楽で、格調高さを保持しつつも、快活かつ精力的に進んでいきます。後半、主題をカノン風に追いかける部分あたりから転調を繰り返してテーマの再現に向かっていくあたりの充実感は中々のものがあります。

 第2楽章は全4楽章中最長の12分半もの長さがある楽章です。典型的なドイツ・オーストリア風な緩徐楽章で、田園的な風情の中、なにやら思索的なところが見え隠れしながらゆったりと進んでいくという感じです。この楽章のハイライトは、再現部直前にホルンが登場して、音楽の視界がぐっと広がるように感ずるところあたりでしょうか。ハイドンはご存じの通り、古典派の中心的な存在ですが、こういう部分を聴くと、古典派の先にあるロマン派もすぐそこという感じもします。

 第3楽章はメヌエット、再び金管を表にだして、晴れ晴れとした宮廷色が強まります。リズム的には途中かなりアグレッシブな部分もあり、ベートーベンを予告しているような趣きを感じられます。そしてトリオは短調でちょっと深刻な表情。最終楽章は型どおり第一楽章の雰囲気にもどった音楽ですが、前楽章で金管を出してしまったので、ここではヴァイオリンやチェロの独奏がせわしくなく動き、やはり華やいだムードを演出しつつ、多少変化に飛んだところも見せていますが、やはり第一楽章の華やかにはいささか敵わない気もします。

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