高木彬光の長編第三作。ネット上の中古書店で購入したのですが、文庫本だと思っていたら、大昔の春陽社の新書が届きました。中学の時も確かこの本だけは同社の新書に読んだはずで、表紙は違っていてご覧の通りかなり扇情的なので、電車の中で広げるのは少々勇気がいりました(笑)。内容は没落した新興宗教の一族を巡る連続殺人で、メインになるのは、再び風呂場での密室による刺殺という舞台立てで、探偵役はもちろん神津恭介ですが、今回は中盤あたりまでは犯人に出し抜かれ、やや苦戦しているのが特徴でしょうか。密室トリックそのものは、かなり危ない橋渡り的なもので、この時代の人気モードといえばそのとおりなのかもしれませんが、とにかく読者を出し抜いてやろうという、トリック至上主義的なところがが、お遊びというか、マニアック過ぎて今の感覚すると苦しいところがなきにしもあらず。文章は第三作目ということで、いくらか生硬さは抜けていますが、いかんせん大時代的で通俗的な文章なので、読むのに少々つかれました。
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