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宇宙大怪獣ドゴラ

2008年01月21日 23時47分58秒 | MOVIE
 「宇宙大怪獣ドゴラ」は黄金時代(昭和30~40年代)の東宝特撮映画で、私が現在に至るまで唯一見逃していた作品である(実は「獣人雪男」も未だ観てないのだが、これは今後観ることは出来ないだろう)。監督は本多猪四郎で、昭和39年に「モスラ対ゴジラ」と「三大怪獣 地球最大の決戦」の狭間に作られ、配役陣が夏木洋介、藤山陽子という「青春とはなんだ」コンビ+小泉博と若林映子とくれば、これはもうつまらない訳がないのだが、昭和40年代以降、変身人間シリーズのような異色作、「大怪獣バラン」のような地味な作品ですら度々オンエアーされたのに、なぜかこの作品に限ってはテレビ放映に出くわしたことがなかったのである。この状況は昭和50年代後半のレンタルビデオになっても同様で、ドゴラというクラゲのような怪獣が地味だったのは確かだとしても、最近では「獣人雪男」と同様な一般公開しかねる「曰く」があるのではないかと勘ぐっていたほどだ。ところが、この年末にレンタルビデオに行くとなにげなく置いてあるではないか、問答無用でレンタルしてきたのはいうまでもない。

 さて、公開から四十数年を経て初めてお目にかかるこの作品だが、確かに地味な作品である。ドゴラというクラゲというかアメーバのような形状の、あまり動物的などう猛さや凶暴さ希薄な怪獣がメインとなっているせいか、前半~中盤にかけてはドゴラが巻き起こす怪現象がメインで派手な特撮的による見せ場があまりなく、宝石を狙うギャング団とそれを追いかける刑事、謎のブローカーなどが入り乱れたアクション映画の雰囲気で進んでいくからだ。これは当時大ヒットしていた007シリーズの影響なのだろうが、このあたりをとりいれ、更には「ローマの休日」のアイデアまで取り込んでしまった「三大怪獣 地球最大の決戦」のド派手さに比べると、シリアス色が強い反面、総体的に地味になってしまったというところなのだろう。
 特撮的には、当時、東洋一の吊り橋といわれた若戸大橋がドゴラに釣られるように浮き上がって破壊されるシーンあたりがハイライトで、これはなかなか秀逸な仕上がりで一見に値するシーンとなっている(蜂毒とかいうのであっけなくやれてしまうのは、バラン同様ちと盛り上がりに欠けたが)。また、出演陣は悪女役の若林映子が現代にも十分通用するクール・ビューティーぶりを発揮して最高にチャーミング、他の出演者を圧倒していた....というのはひいきの引き倒しか(笑)。

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