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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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恐怖劇場アンバランス #2

2010年07月19日 16時24分31秒 | MOVIE
・ #4 仮面の墓場
 少年時代ら失った宝物(義眼)を追い求める狂気の演出家を描いた怪奇スリラー。アングラ劇場が舞台になっていて、それを演じるのが当時はまだアングラ俳優だった唐十郎、そしてこれまたアングラの女王みたいな存在だった緑魔子(実写版「銭ゲバ」のコンビでもあった)ということもあって、60年代終盤の雰囲気がムンムンする仕上がり(演出は石井輝男プロダクション代表でもあった山際永三。)。
 しかし、この作品も凄い厭世観があるな。69年といえば、万博の前年で高度成長期のピークだった訳だけれど、あの華やいだ雰囲気の一方で、こうしたどうしようもなくニヒリックなムードもあった訳だ。それともこれも一種の変形サイケというべきなのか。共演の緑魔子も例によって独特な退廃的ムードで彩りを添え、咳をゴホンゴホンする三谷昇も怖い。

・ #5 死骸(しかばね)を呼ぶ女
 演出は日活で監督デビューした直後の神代辰巳で、今となっては貴重な一編だ。本編そのものは、幽体離脱というテーマはおもしろいとは思うのだが、死んだフィアンセがモンスターばりの殺人鬼として甦るという設定にちと無理がありすぎて、いささか中盤以降、興ざめするところがなくもない。このテーマならウルトラQの「リリー」の方が優れていたと思う。ラストはけっこう穏やかなな印象を残すハッピーエンドで、これまでの何編かのような厭世観はあまりないのはちとほっとする。逆に云うとそれ故にちと凡庸な印象もある。神代の演出は型どおりのTV演出の職人に徹しているというところだろうか。
 主演は和田浩二と珠めぐみ、そして穂積隆信、小林昭二らが共演している。こういうドラマに日活の和田が出てくるのも意外だが(でもないか)、珠の方はどんな人かと思っていたら、「ウルトラQ」で海底原人ラゴンの赤ん坊を直に手渡して失神するあのけなげな娘役をやった人だった(5年も経っているからだいぶ大人になっていたけど)。彼女のミニスカート姿が今や妙に懐かしい。

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