NHKのBSのクラシック系に「ハイビジョン・クラシック倶楽部」という番組がある。平日の朝6時とか午後1時とか、主に室内楽をメインに据えて、けっこう渋めのアーティストの演奏会をオンエアしているのだが、さすがにそれら全部は録画する気はないものの、たまに興味ある曲がプログラムにかかるとと、録画することにしている。先日、その中から「清水直子と仲間たち/アウラータ・クインテット」を観てみた。曲目はブラームスのピアノ四重奏曲第1番から第1楽章, 第2楽章, 第4楽章である。私は清水直子とかアウラータ・クインテットなど初めて聞く人だが調べてみたところ、ベルリン・フィルその他のえり抜きのメンツによるエリート集団だそうで、けっこうな大物だったのだが、もちろん今回のお目当ては演奏者ではなく、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番である。
ブラームスのピアノ四重奏曲は全部で3曲あるが、弦楽六重奏曲だとかピアノ五重奏曲、ピアノ、クラリネットといった作品に比べると、編成が地味すぎるのか、大のブラームス党である私ではあるがこれらについてはほとんど馴染みがない。ただしこの第1番だけは、シェーンベルクの管弦楽編曲版に馴染んでいたせいで例外だ。その時の演奏はデビュー直後のサイモン・ラトルがバーミンガムを振ったものだったが、シェーンベルクの編曲があまりといえばあまりなくらいにブラームス的世界を再現していたせいだろう、私はまるでブラームスの交響曲がひとつ増えたようにすら感じ、けっこう愛聴したたものだった。そうなれば、その原曲の演奏というのも聴きたくなるのが人情だが、あまり記憶がはっきりしないのだが、当時のカタログにはピアノ四重奏曲第1番は多分なかったんじゃないだろうか、私は原曲の演奏を聴くことなくこれまで過ごしてきたのだった。なので、第3楽章が抜けているとはいえ、この曲を映像付きで鑑賞できるのはありがたいと、録画しておいたという訳である。
演奏だが、室内楽の演奏会など20年くらい前にアルバン・ベルク弦楽四重奏団以来だから、もう初めて観るようなものである。演奏家のアップで観ると、さすがに室内楽は指揮者がいないせいだろう、各演奏家が非常に緊張していて、一音一音が真剣勝負なのがビビッドに伝わってきて、ロックだとかジャズにはない張りつめたようなムードがなんともい言えずにいい。曲の方はあれほど聴き込んだ割に、あまりにブラームス的な第1楽章はともかく、他の楽章はほとんど覚えていなかったが、こうした小さい編成で聴いても聴いても実に素晴らしい曲である。壮麗な第1楽章の第二主題とかなんど聴いても感動する。第2楽章のメインの主題で弦のトレモロが次々にリレーションしていく、目の詰んだこまやかさなども絵付きでみると実によくわかる。まだ、第4楽章のジプシー風なムードの中、激情的に盛り上がっていくが、管弦楽版ではほとんどブラームス的な世界を越えたスケールでそれが展開されていたが、原曲ではあくまでもスリムでシャープな面持ちで突き進んでいく様も悪くない....というか素晴らしい。テーマが三現するあたりのクインテット一丸になったホットさなど実にエキサイティングだ。
そんな訳で、この曲についても勢いついでということで、今度はしばらく前に購入したブリリアントのブラームス室内楽全集の封を切って、同曲をファウスト、ジュランナ、ムニエ、ハンのクインテットで演奏したものを聴いている(写真はこちらのもの)。私はこの団体の詳細について、さっぱりわからないのだけれど、今聴いたばかりのアウラータ・クインテットのモダンで推進力豊かな演奏に比べると、ずいぶんおっとりしたソフトな趣だ。おそらく若手の演奏だと思われるが、ブラームス的なベタベタしたところ、重厚感にはあまり拘らず、やけにスースー演奏している感じだが、録音は完備したものだし、角のとれたやわらかめの音調が、いかにも上品な室内楽といった風情があって、ブラームスをシューベルト寄りに解釈したというところか。個人的にはアウラータ・クインテットの方が好みのような気もするが、まぁ、これはこれで悪くない。
ブラームスのピアノ四重奏曲は全部で3曲あるが、弦楽六重奏曲だとかピアノ五重奏曲、ピアノ、クラリネットといった作品に比べると、編成が地味すぎるのか、大のブラームス党である私ではあるがこれらについてはほとんど馴染みがない。ただしこの第1番だけは、シェーンベルクの管弦楽編曲版に馴染んでいたせいで例外だ。その時の演奏はデビュー直後のサイモン・ラトルがバーミンガムを振ったものだったが、シェーンベルクの編曲があまりといえばあまりなくらいにブラームス的世界を再現していたせいだろう、私はまるでブラームスの交響曲がひとつ増えたようにすら感じ、けっこう愛聴したたものだった。そうなれば、その原曲の演奏というのも聴きたくなるのが人情だが、あまり記憶がはっきりしないのだが、当時のカタログにはピアノ四重奏曲第1番は多分なかったんじゃないだろうか、私は原曲の演奏を聴くことなくこれまで過ごしてきたのだった。なので、第3楽章が抜けているとはいえ、この曲を映像付きで鑑賞できるのはありがたいと、録画しておいたという訳である。
演奏だが、室内楽の演奏会など20年くらい前にアルバン・ベルク弦楽四重奏団以来だから、もう初めて観るようなものである。演奏家のアップで観ると、さすがに室内楽は指揮者がいないせいだろう、各演奏家が非常に緊張していて、一音一音が真剣勝負なのがビビッドに伝わってきて、ロックだとかジャズにはない張りつめたようなムードがなんともい言えずにいい。曲の方はあれほど聴き込んだ割に、あまりにブラームス的な第1楽章はともかく、他の楽章はほとんど覚えていなかったが、こうした小さい編成で聴いても聴いても実に素晴らしい曲である。壮麗な第1楽章の第二主題とかなんど聴いても感動する。第2楽章のメインの主題で弦のトレモロが次々にリレーションしていく、目の詰んだこまやかさなども絵付きでみると実によくわかる。まだ、第4楽章のジプシー風なムードの中、激情的に盛り上がっていくが、管弦楽版ではほとんどブラームス的な世界を越えたスケールでそれが展開されていたが、原曲ではあくまでもスリムでシャープな面持ちで突き進んでいく様も悪くない....というか素晴らしい。テーマが三現するあたりのクインテット一丸になったホットさなど実にエキサイティングだ。
そんな訳で、この曲についても勢いついでということで、今度はしばらく前に購入したブリリアントのブラームス室内楽全集の封を切って、同曲をファウスト、ジュランナ、ムニエ、ハンのクインテットで演奏したものを聴いている(写真はこちらのもの)。私はこの団体の詳細について、さっぱりわからないのだけれど、今聴いたばかりのアウラータ・クインテットのモダンで推進力豊かな演奏に比べると、ずいぶんおっとりしたソフトな趣だ。おそらく若手の演奏だと思われるが、ブラームス的なベタベタしたところ、重厚感にはあまり拘らず、やけにスースー演奏している感じだが、録音は完備したものだし、角のとれたやわらかめの音調が、いかにも上品な室内楽といった風情があって、ブラームスをシューベルト寄りに解釈したというところか。個人的にはアウラータ・クインテットの方が好みのような気もするが、まぁ、これはこれで悪くない。
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