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ハイドン 交響曲第14番「車輪」/フィッシャー&AHハイドンPO

2006年03月19日 13時12分12秒 | ハイドン
 こちらも4楽章制、すべての楽章が3~4分で、全体にテンポが早くスピーディーというか、小気味良いリズムを持った楽章ばかりが集まっているせいか、先の13番の重厚さとは対照的な印象があります。また、ソロの出番なども割と少な目で、全体としてはやや小ぶりな感はあるものの、その分均整のとれたバランスでもって、きっちり構成されたタイトな曲といったところでしょうか。

 第一楽章は序奏なしにいきなり主題が始まり、実に快活なムードに満ちています。この楽章で印象的なのは主題の伴奏として鳴っている低弦のリズムで、なにかギコギミいうような、ぐるぐると回るような音型で、ちょっと聴くとロック・ビートみたいな感じに聴こえないこともありません(ベースのフレーズみたいな)。なもので、この特徴的なリズムから、この曲の標題は「車輪」と名付けてさせてもらいました。

 第2楽章はアンダンテで、緩徐楽章というにはちょいと早めな感じで、ここでも後年の「時計」を思わせるような、ちょっと立ったリズムが出てくるあたりがおもしろいところ(もっとも「時計」の秒針より大分遅いですが)。第3楽章メヌエットはやはりかなり早目で、ちょっと陰りあるオーボエがフィーチャーされたトリオもかなりリズミックに進んでいくので、流れとして一貫性がある分、メヌエット~トリオの対照感は割と希薄かも。

 第4楽章は6/8拍子というちょいと込み入ったようなリズムで作られているのが、おもしろいところです。このあたりでどうしても思い出してしまうのが、ベートーベンの7番ということになります。あの曲はリズムを重視した楽章ばかりで構成されたことで有名な傑作ですが、調性も同じイ長調であることだし、ある意味ではこの14番はベートベンの7番のルーツといえないこともないかなと思ったりしましたが、どうでしょうか....?。もっとも7番の最終楽章は2/4拍子ですが。

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