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HEAVEN 17 / Higher And Higher(the best of -)

2005年05月18日 23時04分38秒 | ROCK-POP
 ヘブン17というと、80年代にヒューマン・リーグから分家したテクノ・ユニットで、本家よりヒューマン・リーグらしいというか、ヒューマン・リーグの実験面と音楽マニアな側面を継承したバンドとして玄人受けするバンドとして知られていたと思います。こういう名義上は分家なんだけど、実質的には本家より正統性がある....みたいな関係って、調度、ウルトラ・ヴォックスとジョン・フォックスとか10ccとクレーム&ゴトレーなんかもそうだと思いますが、ブリティッシュ・ロックってこういうの実に多いですよね(笑)。

 ともあれ、実に久しぶりにヘブン17を聴きました。ひょっとすると20年ぶりくらいになるかもしれません。この作品は93年に出た彼らのベスト盤なのですが、あまりに久しぶりなので、まるで初めて聴くようです。自分の記憶だと、ヘブン17って基本的には実験バンドといった印象だったのですが、改めて聴くと「えっ、こんなでしったけ?」と思うくらいにポップな感じなので少々驚いてるところです。これって、おそらくは彼ら以降に出てきた、例えばスクリテッティ・ポリッティ等が大ヒットしたせいで、テクノ的なリズムで翻訳されたソウルみたいな音楽が一般化した結果、そう感じるんだと思いますが、それにしても当時感じた「ひきつったような感じ」、「神経症的なリズム」、「異様に低カロリーな音楽の温度感」のようなものがこれほど違和感なくなっているのは、時間の流れを感じさせずにはいられません。ともかく、非常にセンスは良いごくまっとうな英国産ホワイト・ソウルに聴こえるんですよ。

 もっとも、このアルバム、どうやら12インチ・シングルのヴァージョンを主体に構成されているようで、1曲目は「Temptation」なんて、まるでエニグマみたいな雰囲気に作り替えられてますし、2曲目の「Fascist Groove Thang」はまるで90年代初頭の頃のハウスっぽい感じに再構成されたりしてますから、ひょっとするとここに収録されたリミックス・トラックは、ひょっとすると90年代に行われたマテリアルなのかもしれませんから、今回普通に聴こえたのは、そのせいかもしれませんが....。ともあれ、そうしたヴァージョンに絶妙なさじ加減でオリジナル・ヴァージョンを配置するあたり、なかなか巧みな構成というか、ヘブン17の知能犯ぶりがよく出ているところだと思います。とても楽しく聴きけました。こうなったらオリジナル・アルバムも買っちゃおうかな。 

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