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モーツァルト交響曲第4番/テイト&イギリス室内管

2005年06月25日 22時37分48秒 | クラシック(一般)
 一方、こちらはモーツァルト、前回の1番に続く第4番です。何故第2番と第3番が抜けているかというと、両作品ともに偽作らしいんですね。私の場合、Naxosから出ているニコラス・ウォード指揮のノーザン室内管弦楽団によるディスクを聴いていたせいで、両曲ともになんの疑いもなくモーツァルトの作品だと思って聴いていましたが、第2番は父親のレオポルト・モーツァルトの作、K.F.アーベル作の写譜だったとのこと。今調べたら大昔のベームの全集でも2曲とも入っていませんから、ずいぶん昔から判明していたことではあるんでしょうね。よくよく見ればNaxos盤にもきちんとその旨表記されてます。これって常識ですか、すいません。

 さて、この第4番ですが、第1楽章はちょこまかと動くリズムと途中聴こえる弦のトレモロがいかにもモーツァルトですね。この作品は1765年の作品といわれていますが、モーツァルトが生まれたのは1756年ですから、都合9歳との時の作品ということなります。9歳にしてこれだけと、モーツァルト的なメルクマールがベタベタと張り付いたついて作品をでかすわけですから、やはり彼は天才としかいいようがありません。
 第2楽章は非常に落ち着いたムードで進行する緩徐楽章で、おそらく当時のスタイルを忠実に模写したような感じなんでしょう。モーツァルト的という意味では前楽章に劣りますが、高い音域の弦が眠りを誘うような旋律をかなでるあたりは、それでもモーツァルト的な部分です。
 第3楽章は祝典風な晴れやかなムードを持ってます。ちょっとバロック風な弦がジグザグに進行させていくあたりが印象的です。半音上げて始まる展開部も凝ってますが、この楽章こうした技巧の誇示だけで終わったという感もなくはないです。

 ついでといってはなんですが、前述の偽作である第2番と第3番をちらっと聴いてみましたが、そう思って聴くと、やっぱモーツァルトとは違う世界だなとは思いますね。第2番はモーツァルトにしてはややゴリゴリとして無骨な感じがします、第3番はかなり天衣無縫なモーツァルト的な感じもしますし、短調をまぜるあたりもそれ風ですが、やっぱ特有の軽さみたいなものがないかなという気もします。とはいえ、古典派の曲はある種の様式美ですから、どれも似てますから断定的なことはいえません。これで真作だったなんてことになると、今度は違うところでモーツァルト的な部分が見えてきたりするんでしょう、きっと(笑)。

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