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シューマン ピアノ曲集/エゴロフ

2005年08月22日 00時50分54秒 | クラシック(一般)
 先日、レビュウしたジャン・フィリップ・コラールのピアノ曲集と一緒に購入してきたもの。どちらもEMIというれっきとしたメジャー・レーベルから出ている2枚組でおのおの1000円というのだから凄い。NAXOSやArteNovaの価格破壊がこういうところにも影響しているだろうか、ともあれ昔、興味あったけれど買いそびれたアルバムをこうして安価に購入できるのはありがたい。私がクラシックに耽溺していた頃の廉価盤というは、モノラルだったり、ステレオ初期だったりして、音質的には貧弱なものが多かったのだけれど、時代は進んで、廉価盤になる尺度、つまり発売して20年前くらいの旧譜でも、既にアナログ末期とかデジタル録音初期のだから、音質的にはほとんど問題ないのはありがたい。おまけに最新のリマスタリング技術のせいか、昔のディスクの音より音圧が上がっていたり、細部がクリアだったりしているのもあるから、昔と違って後発万歳なのである。

 さて、このアルバムだが前述のとおり、シューマンのピアノ曲を集めた2枚組である。収録曲は「謝肉祭op.9」「トッカータop.7」「アラベスクop.18」「色とりどりの小品 op99」「クライスレリアーナ op16」「ノヴェレッテンより第1,8番 op21」「
蝶々 Op2」で、先日のコラールのアルバムとあまりだぶりがないのも有り難いが、やはり約半数の作品は初めて聴く作品である。これらの作品ではやはり「クライスレリアーナ」が馴染みだ。馴染みだといっても、ずいぶん久しぶりに聴いたのだが、シューマン的なエキセントリックな叙情とある種のとりとめなさが甦って懐かしかった。
 エゴロフというピアニストは、ロシア出身で西側に亡命し、その後夭折したくらいしたくらいの知識しかないが、ファンタスティックでちょっとエキセントリックな躍動感とある種の暗い叙情といったシューマンらしさを、とてもあまく引き出しているように感じた。また、ピアニスティックな名技性も素晴らしく、難しいパッセージやきらびやかなフレーズがシャープにきめるあたりは、フランス流に上品なコラールとは対照的にビシバシ決めるという感じで、これはこれで快感。シューマンにはむしろこちらの方があっているのではないか。

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