コンヴィチュニーのシューマン全集は3枚組である。昨今のCDパターン同様、交響曲はきちん2枚に収めきっているのだが、3枚目として序曲その他を集めた管弦楽曲集がついているのだ。収録されている曲は「序曲、スケルツォとフィナーレ」「歌劇ゲノヴェーヴァ序曲」「4本のホルンのためのコンチェルトシュトゥック」「マンフレッド序曲」の4曲で、「序曲、スケルツォとフィナーレ」はサヴァリッシュとドレスデンのものに入っていたし、「マンフレッド」はセルとクリーブランドのに収録されていたから(あとムーティーとフィルハーモニアの全集には「へルマンとドロテア序曲」と.「メッシーナの花嫁序曲」というとても珍しい作品が入っていた)、多分初めて聴くのは、「ゲノヴェーヴァ」「ためのコンチェルトシュトゥック」ということになねと思うのだが、今夜はこの2作品を聴いてみた。
・「歌劇ゲノヴェーヴァ序曲」
シューマンは2つの歌劇を残しているようだが、これが上演されたということを私は全く聞いたことがないので、歌劇そのものはほとんど忘れ去れてしましまっているのだろうが、「ゲノヴェーヴァ」の方は、かろうじて序曲だけは時代の検証を経てなんとか現在まで生き延びているようで、こうして演奏が残されている訳である。
曲はこ不安感を誘う悲痛な雰囲気に始まり、やがてアレグロのスピーディーな展開になる、途中やや明るいテーマが顔を出したり、ラストは序曲のお約束である勝利の凱旋のようにもなったりするが、概ね重厚でやや暗鬱な雰囲気が強く、交響曲第4番あたりを思わせる独特な暗い叙情が印象的だ。ただし、曲の振幅がやや不発気味なところがあって、真にドラマが盛り上がらない感がなくもない。
・「4本のホルンのためのコンチェルトシュトゥック」
コンチェルトシュトゥックとは少協奏曲のような意味だと思うが、演奏時間は20分を越えるから、曲そのものはそんなに小規模な訳ではない。おそらくこの曲に漂う牧歌的、気楽な雰囲気からそういうタイトルになったのだと思われる。ただし、4本のホルンのためのというは非常に珍しい。第1楽章は交響曲第3番の同楽章と似たような快活な推進力があり、随所でホルンが難しそうなパッセージを披露する。第2楽章はホルンの牧歌的な音色をよく生かした緩徐楽章で、やや陰りのある静謐な雰囲気が印象的だ。弦とホルンの絡みが美しい。ベートーベンの第5よろしく、前楽章から切れ目なくスタートする第3楽章は、それから予想されるような「勝利の凱旋」的雰囲気はあまりなく、やや込み入ったリズムが錯綜しているせいか、これまたドラマ的な練り上がりはひまひとつな感がある。
・「歌劇ゲノヴェーヴァ序曲」
シューマンは2つの歌劇を残しているようだが、これが上演されたということを私は全く聞いたことがないので、歌劇そのものはほとんど忘れ去れてしましまっているのだろうが、「ゲノヴェーヴァ」の方は、かろうじて序曲だけは時代の検証を経てなんとか現在まで生き延びているようで、こうして演奏が残されている訳である。
曲はこ不安感を誘う悲痛な雰囲気に始まり、やがてアレグロのスピーディーな展開になる、途中やや明るいテーマが顔を出したり、ラストは序曲のお約束である勝利の凱旋のようにもなったりするが、概ね重厚でやや暗鬱な雰囲気が強く、交響曲第4番あたりを思わせる独特な暗い叙情が印象的だ。ただし、曲の振幅がやや不発気味なところがあって、真にドラマが盛り上がらない感がなくもない。
・「4本のホルンのためのコンチェルトシュトゥック」
コンチェルトシュトゥックとは少協奏曲のような意味だと思うが、演奏時間は20分を越えるから、曲そのものはそんなに小規模な訳ではない。おそらくこの曲に漂う牧歌的、気楽な雰囲気からそういうタイトルになったのだと思われる。ただし、4本のホルンのためのというは非常に珍しい。第1楽章は交響曲第3番の同楽章と似たような快活な推進力があり、随所でホルンが難しそうなパッセージを披露する。第2楽章はホルンの牧歌的な音色をよく生かした緩徐楽章で、やや陰りのある静謐な雰囲気が印象的だ。弦とホルンの絡みが美しい。ベートーベンの第5よろしく、前楽章から切れ目なくスタートする第3楽章は、それから予想されるような「勝利の凱旋」的雰囲気はあまりなく、やや込み入ったリズムが錯綜しているせいか、これまたドラマ的な練り上がりはひまひとつな感がある。
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