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Wes Montgomery / Movin' Wes

2007年03月23日 00時12分30秒 | JAZZ
 ウェス・モンゴメリーというと、CD初期の頃に出た「Compact Jazz」シリーズで出た2枚で親しんだせいか、リバーサイド時代のパップ色の強い作品より、より高級BGM色の強いヴァーブ時代の諸作品の方が好きです。まぁ、CTIまで行っちゃうと、ちょっとポップ過ぎてアレなんですが(笑)、ヴァーブ時代はオーソドックスなジャズ指向とBGM的センスのバランスもいいですし、そもそもアルバムのヴァリエーションも多彩でしたから、偏りなく楽しめるところが良いと思います。さて、この作品は多分彼のヴァーブ第1作で、それまで長いインプロを主体としたリバーサイド期のアルバムから、オーケストラ(正確にはビッグ・バンドですが)をバックにしたポップなダイナミックなサウンドでかなりイメチェンを果たした作品といえます。では、主な曲を軽くメモっておきます。

 本作の編曲はジョニー・ペイトという人で、その後の彼のアルバムては名前をみなくなる人ですが、時に豪快、時にアダルト・オリエンテッドなビッグ・バンド・サウンドを作りだしています。1曲目の「Caravan」は炸裂するビッグ・バンド・サウンドとモンゴメリーのギターをスポーティーに対比させた豪快な曲。中間部でのギター・ソロもノリノリ。2曲目の「People」はミディアム・テンポのムーディーな曲、よく歌うギターの背後で、ビッグ・バンドはまるでストリングスのような響きを醸し出しています。3曲目の「Movin' Wes pt.1」はややダークでブルージーなオリジナル作。合いの手をいれるようなブラス・サウンドが印象的。4曲目の「Moca Flor」はラテン~ボサノバ風なオシャレなサウンドで64年という時代を感じさせます。5曲目の「Matchmaker」はジャズ・ワルツのリズムを使った都会調のかなりポップな作品。

 6曲目は「Movin' Wes pt.2」はタイトル通り、3曲目の続編とでもいうべき仕上がりで、ビッグ・バンドのリズムはpt.1ほど鋭角的でなく、全体にミッドナイトなムードに仕上がっていて、その分モンゴメリーのギターがフィーチャーされている格好、ここでモンゴメリーは彼の十八番とでもいうべきフレーズを連打しています。7曲目「The Phoenix Love Theme」は、5曲目の「Matchmaker」同様ジャズ・ワルツのリズムを使った都会調の曲ですが、こちらはいくらかリゾート風なサウンドになっているのが特徴で、ギターも縦横に弾きまくっています。8曲目の「Theodora」はジャズ・バラード風な演奏で、ちょっとゴスペル風なアレンジに乗って、モンゴメリーがめずらしくしっとりと歌っているのが聴きどころということになるんでしょう。次の「In And Out」はちょっと8ビート風なリズムを使ったロック風なオリジナル作。

 10曲目「Born To Be Blue」はアルバム中もっともブルージーな作品で、真夜中の香りがいっぱい。ラストはやはりブルージーな名曲「West Coast Blues」ですが、私がかつて馴染んだベスト盤(「Plays Bluse」の方)ではこれが一曲目だったので、ラストにこれが出てくると、いささか居心地の悪い思いがしたりするもするのですが、ビッグ・バンドとモンゴメリーのギターがなんとも絶妙にブレンドされた心地よいサウンドになっていますし。唐突なエンディングもセンスを感じさせます。

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1 コメント

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Unknown (Log)
2020-12-03 12:47:07
こんにちは。宜しくお願い致します。
このアルバムは、昔々、渡辺香津美さんがギター雑誌の教則コーナーの中でおすすめとして紹介されていて、すぐに購入しました。どの曲も素晴らしいのですが、クレジットにRe-Record Engineerとあるので、おそらく小さいスタジオでコンボでベーシック・トラックを録って、後日、ブラスを録音してミックスしたと思われます。できるならば、元のトラックだけを聴いてみたいです。
それに対し、渡辺香津美さんの「ロマネスク」は、「キャラバン」に限らず、中途半端で煮えきらない演奏ばかりです。
渡辺さんは「昔のスタイルそのままでは面白くないから」とよく言うのですが、リズムをレゲエにしたりファンクにしたりするのが、かえって仇になっていると思います。

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